言霊の幸わう国

冬の音

 今朝は霧が出た。
 バス停まで歩く道すがら、じゃりじゃりいう自分の靴音がやたら響いた。
 いつにも増してその町の暗さに、朝か夜かわからないなとまだ70%くらいしか働いていない頭で思った。

 会社までのイチョウとカエデの並木はそろそろ葉を落としきり、なぜか今年はきれいに色づかなかった葉が混じりながらも道いっぱいに広がっている。
 数日前まではその下を歩いていると、はらりひらりと葉が舞い落ちてきた。
 頬は風を感じていないから、危うさひとつで木にしがみついていたのだろう。
 1枚、2枚、3枚と降る黄色い葉を見ていると、なぜか祝福されているようでうれしくなった。

 その葉が、かさかさ、こそこそと足元で鳴る。
 歩きながら、口の中で飴玉を転がすように真似てみる。
 かさこそ、さくさく。かさこそ、さくさく。

 冬には冬の音がある。
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by fastfoward.koga | 2008-12-10 12:28 | 一日一言 | Comments(0)