言霊の幸わう国

ハスキー

 昨日、夜歯を磨きながら鏡の中の自分をぼやんと見ていた。
 眠いような眠くないような瞼を少し落としたり戻したりと馬鹿なことをしていたら、自分の目の色が気になった。
 わたしの目の色はときどき、光の加減だろうが、薄い茶色に見えたりグレーがかって見えたりする。
 昨日はグレーのほうで、目だけをじっと見つめていると自分が犬に見えた。
 ハスキーみたいだと思った。
 ご主人さまにかまってもらえなくてつまんないなー、かまってほしーなーと言っている目だった。
 そのまま歯ブラシを前歯に当てて上下しながら、おもしろいことって、と考えた。
 なんだろうなんだろうと口をゆすぎ、思いつかないまま寝支度をして寝た。
 その問いを、今日会社帰りにも考えていた。
 他人のいけすかない態度と自分の失敗をひとつの器に入れてごちゃ混ぜにして、会社を出たときはくさくさしていた。
 なんやねんいったい、とぶつぶつ言って、必要以上に靴音を鳴らして歩いた。
 もー今の気分はなにをしてもよくならへん、と楽しそうなことを挙げてみた。
 おいしいものを食べる、すきな人に抱きしめてもらう、大酒をかっくらう、山ほど買い物をする。
 どれを頭の中で想像しても気分は高揚せず、いやいや仕事のくさくさはやっぱり仕事じゃないとあかん、と 思い直した。
 犬はこうして、オラオラと明日も吠えながら働くのだ。
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by fastfoward.koga | 2008-12-15 21:30 | 一日一言