言霊の幸わう国

1月の巻

1  川上弘美   どこから行っても遠い町
2  宮部みゆき  かまいたち ※
3  栗源有起   お縫い子テルミー ※
4  片山恭一   世界の中心で、愛をさけぶ ※
5  宮部みゆき  本所深川ふしぎ草紙 ※
6  海堂尊     ジェネラル・ルージュの凱旋(上)
7  海堂尊     ジェネラル・ルージュの凱旋(下)
8  吉田修一   東京湾景 ※ 
9  吉田篤弘   小さな男*静かな声
10 吉田篤弘    78
11 梨木香歩    からくりからくさ ※


 年が改まったら、読書もリセットです。
 今年ももちろん、カウント1から始めました。
 年明け早々いいスタートで、順調に読み進めています。

 読みたい本や興味のわく本に関するアンテナの立て方には、自信をもっています。
 がしかし、先日も少し書いたブックディレクターの幅さんの仕事ぶりをいろんなところで拝見していると、自分の読書は視野が狭いなと思うことがありました。
 流行に乗ってしまっておだてられた本や、向き合うには少し重いなという本など、うまくすり抜けてしまうことを身に付けてしまった今、打破するには根本から考え方を変えなくてはならないと小さく決意しました。
 今年は、読まず嫌いをやめます。

 0冊で結論を出すのは今まで簡単でしたが、よくよく考えるとたった1冊読んだだけで結論を出すことは難しいことです。
 でも、なにごともやってみなくては始まりません。
 世界を広げるために、読んでゆきます。


 と、ここで話題を替えますが、先月久しぶりに「世界の中心で、愛をさけぶ」を読み直しました。
 文芸書で購入しましたが、当時帯には柴咲コウの「一気に読んで泣きました」というようなことが書かれていたように記憶しています。
 映画化やドラマ化が決まる中、2割ほどどんなもんだいというような穿ったきもちを持ちながら読みました。
 読み切ったあと、いったいどこで泣くべきだったのかと読んだページを捲りなおしたことを思い出します。

 小説の映像化にあたっては、映像よりも本ずきな人間としては残念に思うことが多く、なかなか満足できるものが正直もう少し欲しいところです。
「世界の中心で、愛をさけぶ」に関しても、読み直した今も同じことを感じました。
 わたしは主人公の朔太郎という少年の少し理屈っぽいところや、それを隠さず表に出すところがすきなのですが、どうも映像化にあたってはその部分が薄く、つきあっていた彼女が白血病で死ぬという悲しい出来事を前に、意気地のない、大人が懐かしさで好む、不器用だけどひたむきな少年といった描かれ方になっているように思います。
 本の中の朔太郎は、本人は意図せずとも自分の感情に振り回されているようで冷静な男の子だとわたしは感じるのですが、違いが生まれるのは本と映像が描こうとするものが違うからなのでしょうか。

 今回ふと思い立ち本棚から抜き出して読み返しましたが、最後に鼻の奥がツンとしました。
 不思議と1番感情移入できたのは、10年以上歳を重ねた朔太郎でした。
 最後の数ページがあるから、あの作品はただの悲しい物語ではないんだよなと思います。
 だから単なる流行では片付けられないほど売れたのでしょう。

 なんてことを、思った1月の読書でした。
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by fastfoward.koga | 2009-02-02 20:30 | 本の虫