言霊の幸わう国

岩手懐古・録  【城のたもとで祈る】

 じゃじゃ麺でお腹を満たしたあと、わたしたちは来た道を戻るように市内観光を始めた。
 まずは明治時代の建物そのままが残る岩手銀行の中ノ橋支店を、道の反対側から眺めた。
 国の重要文化財にも指定されているそうで、近くで見ると時間の積み重ねを感じられるまさに立派な建物だった。
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 そして中津川を渡り、岩手公園沿いをそのまま進むと神社を見つけた。
 ガイドブックによると、そこは桜山神社という南部藩の総鎮守として信仰された神社で、お参りしようとY嬢と石段を登った。
 どこの神社にお参りしても思うのは、手を合わせると日常にはない神妙なきもちになること。
 ほんの数秒できもちが洗われる気がする。
 
 手を合わせたあとは、おみくじを引いた。
 引くときに過ぎったのは、正月に引いた半吉。
 大吉が引きたいなと願いながら、大きな箱の中に手を入れた。
 箱の左下あたりでひと掴みをし、そこでY嬢に、ここでどれを掴んでどれを落とすかがいっつも迷うねん。で、落としたほうがよかったんちゃうかと思うねんかーと言ってみる。
 言葉から迷いが右手に伝わりかけたところを、えいやーっと声に出してひとつに絞って握り締めた。
 
 あとから引いたY嬢と、せーので開いた。
 わたしのおみくじは吉。
 物足りなさを感じながら読むと、「腹立ちやすい心を抑えて利欲をすて 驕(おごり)を戒めれば人望まし利益を得ます」と書かれていた。
 この1年くらいだろうか、あちこち旅をして見つけた神社にお参りして引いたおみくじには似たようなことが書かれている気がする。
 謙虚になれ。
 迷うな。
 
 だからおみくじを開くたびに、思う。
 精進すべし。
 この日も、そのことを固く心に誓った。

 お参りのあとは石垣を伝い、どこから入るんやと入口を探し当てて岩手公園(盛岡城跡)へ足を踏み入れた。
 雪の積もった勾配のきつい坂を、踏みしめながら歩く。
 平坦な場所まで出るまでに、軽く息が上がった。
 まっすぐ前を見ると石碑が見えたので近づいてゆくと、石川啄木の歌碑らしい。
 けれど彫られた文字が達筆すぎて、いきなり書かれた「不来方」の文字が読めなかった。
 仕方なく、わかったところだけをY嬢と声に出して読んでみた。
 このあたりからだろうか、少しずつ旅らしい高揚感が表に出てくるようになっていた。

 公園を小さくぐるりと回って、曇り空の盛岡市内を眺めた。
 そのあとは岩手県内のおみやげがたくさん揃っている特産品プラザらら・いわてを冷やかし、スタート地点に戻るように盛岡駅近くの開運橋へと向かった。
 次に目指すは、宮沢賢治の「注文の多い料理店」を出版した光原社のあるいーはとーぶアベニュー材木町だ。
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by fastfoward.koga | 2009-02-18 20:52 | 旅行けば | Comments(2)
Commented by hanautaco at 2009-02-19 12:01
コガトラベルさんの旅案内とともに、まだ知らぬ岩手ですが歩き回っているような気分です。
さて、そろそろ腹ごしらえの時間です。じゃじゃ麺・・食べたい。
まだ旅の途中。続きを楽しみにしております。ご案内、よろしくどうぞ。
Commented by fastfoward.koga at 2009-02-19 23:04
ハナウタコさん、こんばんは。
そんなふうにおっしゃっていただけると、飽きっぽいわたしも続きをがんばって書こうと思います(笑)。
飽きっぽいわりには書き出すとボリュームが出てしまい、困った性格です・・・。
じゃじゃ麺、お薦めです。わたしも今食べたくて仕方ありませんー。