言霊の幸わう国

岩手懐古・録  【獣になる】

 お忘れでしょうか・・・(苦)。
 前回はここまで書きました。 → 
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 盛岡へとこまちに再び乗り込んだY嬢とわたしは、乗車の小一時間をぼんやりしたりうとうとして過ごした。
 陽はだんだん落ち始め、外を眺めていると普段はあまり見られない色合いの景色に不思議なものを感じていた。
 今見ている色は、白なのか青なのか紺なのか黒なのか。
 あそこはまだ青とは言えないけれど、白とも言えない。
 でもこっちは紺に見えるけれど、わたしの知っている紺とは違う気がする。
 と、雪景色の夕暮れどきを旅するたびに思っていたことをまた同じように思っていた。

 盛岡駅に到着したあとは、あまり甘いものを進んで食べないY嬢がじっと見つめていた「啄木の朝」というプリンをふたり分購入し、ホテルへと戻った。
 昨日同様1度ホテルで休憩し、さー食うぞ! と勇んで焼肉屋さんへ向かった。
 
 なぜゆえ、盛岡まで来て焼肉なのか。
 それはわんこそば、じゃじゃ麺と並んで有名な盛岡冷麺を食べるためで、冷麺と言えば焼肉。焼肉と言えば冷麺ということで、事前に北東北の情報誌「rakra(ラ・クラ)」で目をつけていた「大同苑」に出かけていった。
 店に向かいながらも、すっかり心は冷麺。寒くても冷麺。
 でもまずはお肉でしょう! と、Y嬢とジャンジャン注文して焼いて食べて、合間にビールを飲んでと大いに焼肉を味わった。
 中でもおいしかったのは、ユッケに使うお肉ですから生でも食べられます、と店員さんに説明された肉(部位は失念)。
 馬刺しも生レバーもすきなわたしは、生で食べられるものは生でいただきたい! と獣のように生肉を、その一方でY嬢は前沢牛のカルビを慎重に焼いて食べていた。
 そしてシメに念願の盛岡冷麺。麺の歯ごたえも、スープのうまみも充分満喫し、お腹いっぱいになってお店を出た。

 あまりの満腹ぶりにこれはちょっと腹ごなしをしようと、遠回りしてライトアップされている盛岡城の石垣を見に行った。
 なんでもかんでもライトアップしたらええちゅうもんちゃうよなーと言ったものの、決してそういうのは嫌いではなく、白、緑、青と一部分だけ照らされた石垣はなんだか健気にも思えた。

 同じ町でも、昼歩くのと夜歩くのとでは印象が変わるからおもしろい。
 両方の景色を見て初めてその町に地に足が着くというか、馴染む感じがする。

 お腹いっぱいでほかほかした体に、ひやっとした夜風の中の散歩はきもちがよかった。
 おかげで獣は口から出ていた。
 さあ、岩手の旅も残すところあと1日。
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by fastfoward.koga | 2009-03-23 20:32 | 旅行けば