言霊の幸わう国

木は森に隠せ

 ひとりで旅をしていると、ときどきふらりとその町の図書館に立ち寄ることがある。
 他に行くとこ、見るとこあるだろうと思いつつ、ついつい入ってしまう。

 入口から小さくさっと中を見て、適当な本棚から気になる本を抜き出し、イスに座って広げてみる。
 時には真剣に調べものをしたりして、気づくと閉館の音楽やアナウンスが流れて、時間はあっという間に過ぎてしまう。

 その町の人に紛れて、夢中になった本から顔を上げたとき、一瞬自分がどこにいるのかわからなくなる。
 その瞬間がたまらない。

 わたしにひとり旅が必要なのは、自分が何者でもなくなる感覚を欲するからなのかもしれない。
[PR]
by fastfoward.koga | 2009-04-01 22:20 | 一日一言