言霊の幸わう国

眩暈

 昨日の夜は、春の嵐で音のうるささに気をとられてよく眠れなかった。
 朝になると京の山々が白さを纏っていて、その景色にドキッとした。
 会社までの道沿いにある公園の桜は昨日の風のせいなのか、花をつけた細い枝が地面に落ちていた。
 これにもドキッとして見上げたら、まだ満開とは言いがたい咲き具合だった。
 でも我が家の近くの桜の木々は八部咲きぐらいになり、ほんの少し位置が違うだけで蕾の開き具合が違うことに、わたしはどうもついてゆけない。
 見た目には春なのに、風は北風。まだ冷たい。
 それでなくても毎年桜の咲く速さには、そのテンポについてゆけずきもちがかき乱されるのに、どうも今年は輪をかけて揺さぶられる。
 この数日、自分の胸に空いた穴を埋めようとしている。
 それほど必死になってのことではないけれど、思いとは裏腹に日に日に穴は大きくなってゆく気がしないでもない。
 春も、きもちも、まだ冷たい風に簡単にさらわれる。
 それでなくても不安定になりがちな春なのに心細くて人恋しくて仕方がなくて、誰かの袖でも掴んで、ついてゆきたくなる。
 
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by fastfoward.koga | 2009-04-02 22:15 | 一日一言 | Comments(0)