言霊の幸わう国

オープン

 今日は、先日の入学式の話を少し。
 
 入学式といっても通信教育学部と大学院のみの式典だったため、一般的な大学の入学式とはかなり趣は違っていた。
 中にはちらほら20歳前後の若者もいたけれど、圧倒的に年齢層は高め。
 両親ぐらいの年齢らしき人も多かったので、わたしはまだ若いほうだったのかもしれない。
 しかも通信教育部にはいくつかの学部とさらに専門コースに分かれているので、集まる人はより様々といった感じがした。

 式はお決まりの偉いさんの挨拶や祝辞など多少堅苦しさのある空気の中進んでいったけれど、わたしはじっと聴こえる言葉に耳を傾けていた。
 これまで芸術というものを自分の手の中にもそばにすら置こうとしたことはなかったので、誰の口からも語られる「芸術とは」という話に少し初めは圧倒された。
 そうか、わたしはこういう場所を選んだのだなという自分の立ち位置と、これから自分がやろうとしていることが端の端の端でも「芸術」に携わるということなのだということ認識をした。

 そんな思いの中、学長の言葉は何度も噛みしめた。
 学長は「芸術とは、人との関わりで生まれるもので、その人の意気込みが表れたものだ」と挨拶の中で語った。
 ちょうど壇上の向こうがガラス張りになっていて、その向こうに散り始めた桜が見えていたのだけれど、学長は「桜は美しいけれど、芸術とは違う」と張りのある声で言った。
 人の中から生まれ、創りだす人間の思いや意志が込められた作品こそが美しい。
 その言葉に、すごいところに来てしまったなという淡々とした思いが湧いてきた。

 美しいものを、わたしの場合は美しい文章、美しい日本語を創り出せるかどうかわからないし、自信など欠片すら存在しないけれど、そこに向かって努力するのは自分に向かって手を叩きたくなる。
 ええやん、ええやん、と。
 数年後の結果よりは、始めること。
 月並みだけれどその積み重ねで、階段は目の前に出来上がってゆく気がする。

 今まで自分の中にはなかったものが、間違いなく入り込んできた。
 扉を開くと、こんなものだ。
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by fastfoward.koga | 2009-04-17 21:20 | 一日一言