言霊の幸わう国

初幽体離脱

 吐いたことに気づいたハハが、その瞬間小さく叫んだ気がする。外に出たあとは、慌てるハハの傍らにぼうっと立っていた。
 車に酔って吐いたのだから汚れた洋服への不快感や嫌悪感を抱いてもよさそうなものなのに、そういう感じは一切なかった。吐いてしまったという事実と真正面から対峙していた。けれど我慢しなくてよくなったことへの開放感と罪悪感の入りまじる思いをこどもがうまく処理することができるはずもなく、まだ小さな足で呆然と立っていることしかできなかった。
 すうっと、体から意識を持つ自分が抜けてしまっていた。でもその自分がそのあとどこへ行ったかはわからない。でも今こんなことを書いているのだから、ちゃんと体に戻ってきたのだろう。

 課題 「最初の記憶(私の一番古い記憶)」

 みなさんの最初の記憶、1番古い記憶はなんでしょう?
[PR]
by fastfoward.koga | 2009-04-21 21:35 | 四〇〇字・課題