言霊の幸わう国

素直になると

 こんなに毎日言葉と格闘しているのに、ほろっと抜け落ちていた。

 言葉にしない言葉は、相手には伝わらない。

 お腹の中に言葉をたくさん溜めているから、かえって言葉に詰まる。
 書いては消し、言いよどんでは飲み込む。
 外へ出そうと試みてはみるものの、形が違う気がして途中でやめてしまう。
 何度もそのくり返し。

 思いあぐねている間に、思い出せたことがひとつ。
 それは大学の学長からのメッセージで、書かれていたのはこんなこと。

 いい絵を描いてやろう、有名になってやろう、自分はそんなことを考えていた。でもひとから褒められたい、そんなことを思いながら描こうとした自分を画面は許してくれなかった。
 そのうちふと自分はなぜ画家になったかを考えていたら、すきな絵が描けることはなんて幸せな人生だと思った。そう思った瞬間、画面が近くに感じた。

 あー、今自分はうまく伝えようとしていた。
 思いの丈を充分にではなく、見栄えよく伝えることに心を砕いていた。
 伝えたいと願う割には思いの先に相手はおらず、いつも自分だけを見ていた。
 どうりで最近話しても書いても、相手に伝わっている手応えが感じられないはずだ。

 素直になるって、難しい。
 どうして簡単なことを自分は難しくしてしまうのか。
 一生懸命、ニュートラルにニュートラルに、フラットにフラットにと自己暗示をかける。
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by fastfoward.koga | 2009-05-16 22:55 | 一日一言