言霊の幸わう国

四国春旅 ~雨の高知

 ※次の旅の予定がないと、相変わらず遅筆(苦)。

 列車は雨の中、高知駅に到着。
 改札を出てまずしたことは、売店で傘を買うこと。
 買ってひと安心してそこで初めて携帯を見ると、太美吉さんから着信があった。
 あわてて電話をすると、太美吉さんはもう高知駅に着いていて、柱の陰から初対面のこんにちはになった。

 1時間ほど、駅のカフェでお話をした。
 初めての人と会うのは緊張するけれど、その人の人となりや自分のそれを話をしながら交換して距離を埋めてゆく作業はおもしろい。
 名残惜しさを残しつつも、お仕事中の太美吉さんを長く引き止めるわけにはいかない。
 このあとは? と聞く太美吉さんに高知城に行くと言うと、車なので送っていきましょうと言っていただきお言葉に甘えることにした。

 雨の中走り去る太美吉さんの車を見送ったあと、砂利道と石段の先にある高知城を目指した。
 そう大きくないビニール傘を背負ったリュックに引っ掛けるようにし、滑って転げ落ちないように黒いスニーカーを見つめて歩いた。
 スニーカーに降り注ぐ雨と、跳ねた雨がかかる。
 そこでふと出かける前の夜に、ベランダでスニーカーに防水スプレーをかけた自分のことを思い出し、なんて準備がいいのだと己を苦々しく褒めた。
 あのときは雨が降ることなど予想もしていなかったのに。

 辿り着いた高知城の中は、雨のせいでしっとりしていた。
 お城特有のひんやり感よりも、全身に水分を多く含んだ空気が覆いかぶさった。
 歩くとぎしぎし鳴る廊下を爪先立ちで、畳になると足全体をつけ歩き回った。
 お城に行くとなぜか急ぐように階上を目指してしまう。
 展望台に行っているわけではないのに、とりあえず上りきらないと落ち着いて場内を見て回れない。
 おかしな癖だ。

 高知城を出たあとは、ちょっと迷ってすぐそばにあった県立図書館に行くことにした。
 そこで1時間ほど本を読み、ここはどこだったっけなあと外に出る。
 歩き始めながら、そうそうここは高知だよ、答えるわたし。

 アーケードを歩いて夕飯の食べられそうなお店のめぼしをつけておき、ホテルにチェックインした。
 このくらいになるとすでに全身が湿気まみれでカラッとしたい! と思うのだけれど、遅くなると邪魔くさくなると荷解きもそこそこに夕飯を食べに出かけた。

 絶対カツオのタタキが食べたーいと30分ほど迷った挙句、1軒のお店に入った。
 とりあえずビールとタタキ、地鶏の焼き鳥を注文。
 カウンター席でひとりうますぎーと小さく叫ぶ。
 こういうときに自分を恨むのは、少食なこと。
 旅先でのゴハンどきにだけ大食いになれないものだろうか。
 あと、ひとりでゴハンを食べるときビールがたくさん飲めないのも残念。
 お腹がすぐいっぱいになるから、もうちょっとだけビールが飲みたいと思っても飲みきれないのだ。
 今回もやっぱり地酒も飲みたいしなーと、ビールは1杯だけにしておいた。
 お腹の膨れ具合を慎重に測りながら、最後にタタキの握りを注文しオーダーストップ。ああ、大食漢になりたい。
 ゴハンもお酒もおいしいなと飲み食いしていると、お店の女将さんからお強いですねと声をかけられた。
 えー、そうかなと思いつつ、タタキがすごくおいしいですと言うと、よかったわあとほんとうにうれしそうに答えてもらえた。
 
 ほんとうにお腹がいっぱいになって、お店を出るとのぼせた顔にかかる風が心地よかった。
 その足で明日から使う切符を高知駅まで買いに行く途中、頭が重く感じて軽く酔っ払ってるなと自覚した。
 量はそれほどでもないのにと思いつつ振り返ってみて、地酒を飲むペースが速かったこと、だからお強いんですねと言われたことに気づいた。
 
 雨はまだ降っている。でも明日はもう傘はいらないはず。
 明日のために、夜更かしせずにホテルに戻った。
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by fastfoward.koga | 2009-05-24 18:27 | 旅行けば