言霊の幸わう国

なびく洗濯物の影に

 洗濯機はとにかく小まめに回す。洗濯機は止まったらたら中身はすぐに取り出し、カゴに移す。絡まった洗濯物は干す前に解いて広げる。生地をピンと張り、皺を伸ばす。そしていったん畳んで叩き、さらに皺をとる。
 干し始めはタオルから。ベランダ右手の外側に、間をつめて幅の広い洗濯ばさみひとつで二枚のタオルを一度に止める。そのあとは靴下、次に下着の順で干していく。
 シャツなどハンガーに掛けるものは生地が厚いものから順に、ベランダの右側に奥から手前に並べてゆく。ベランダが南を向いているので午後から夕方にかけての陽射しが当たりやすく、そうするとよく乾く。左側にはパジャマのズボンやバスタオルを干す。物干し竿に引っ掛けるときには手前側から洗濯物を掛け、向こう側に引っ掛ける生地の量を多くして洗濯ばさみで止める。これもできるだけ陽射しを浴びる部分を増やすためだ。
 テキパキと要領よくすべてを終えようとするのだけれど、カゴの中の洗濯物の質と量をはかり損ねて、物干し竿に掛けたあとに洗濯物をスライドさせたり外したり、もたもたしてしまう。二〇分ほどかけ干し終えたあとは、窓の桟の上に立ちベランダをざっと眺める。どの洗濯物にも陽射しがうまく当たるか、バランスよく干せているかの最終チェックだ。
 毎回そこで思う。干し方が母そっくり。

 課題 「私の出会った人物」というテーマで六〇〇字の作品を作ってみよう。
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by fastfoward.koga | 2009-06-08 22:20 | 四〇〇字・課題