言霊の幸わう国

知の迷路

 今日、会社帰りにずっと気になっていた古本屋さんに行ってきた。
 駅から会社までの道に、その店の看板はぽつんと立てられていた。
 2階の窓際には絵本らしきものと、店主の人の後頭部。
 どんなお店だろうと想像していた。

 細い階段から店の中を覗くと、雑誌が積み重なっているのがまず目に入った。
 アート系の本が多いのかと思っていたら、文庫や文芸書、絵本に文房具も並んでいた。
 
 じっくりゆっくり背表紙をかに歩きで眺めた。
 いいぞいいぞ! という思いで決して広くはない店を一周してこれは! という本を2冊見つけた。
 古本なので値段も手ごろ。
 他にも雑誌や絵本をチェックしていたけれど、とりあえず今日はこの2冊とレジへ差し出した。

 また来ようと心に誓い階段を下り、街路樹のある歩道を駅へ向かって歩き出した。
 右手に握り締めたビニール袋の重みが心地よい。
 きもちが浮き立っているのを感じたら、ふと少し前に新聞で読んだ記事を思い出した。

 ノンフィクション作家の佐野眞一氏は、売れ筋本ばかりの図書館はいらないとインタビューで語っていた。
 図書館のあり方を考える中で利用者のリクエストを聞いているばかりではダメだ、図書館も取捨選択が必要だと書かれた記事を読み進めると、最後に思わず頷く言葉に辿り着いた。

「(図書館は)深度と網羅性を備えた知の迷路を形づくる。」

 佐野氏は、図書館の強みは「閲覧」であるというのだ。
 ある本を探して図書館に出かけ、その本の隣や向かいの棚からまた新しい本と出会うのが図書館のおもしろさだと言うのだ。

 最近図書館をちょくちょく利用するようになった今だから、その言葉に頷ける。
 実際探しもののついでに見つけた本に興味を持ったり、結局借りたりすることもある。
 図書館の通路を行きつ戻りつしていると、山ほどの本が自分に知らない世界がまだあることを教えてくれる。

 今日の古本屋は、そのときと同じきもちになった。
 いい兆候だ。

 今日はすきな本を買った。
 今度は、気になる本を買ってみよう。
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by fastfoward.koga | 2009-07-09 21:29 | 一日一言 | Comments(4)
Commented by m_kikyou at 2009-07-10 16:12
ずっと気になっていたお店に入るときって
期待と不安でドキドキしますよね。
子供のころの探検ごっごの時と同じ感じ。

お気に入りの場所がみつかってよかったですね♪

私も、リンクいただいてよろしいでしょうか?^^
Commented by fastfoward.koga at 2009-07-10 20:39
桔梗さん、こんばんは。
とりあえずなんでもいいから1冊買おうとだけ心に決め(笑)、意を決してお店に入りましたが思いのほかよいお店でした。
これからちょくちょく寄ろうと思います。
勇気いるんですけど、やっぱりわくわくして楽しいもんですね。

リンク、わたしもいただきに参ります!
ありがとうございます。
Commented by m_kikyou at 2009-07-10 22:29
リンクいただきました♪
よろしくお願いします^^
Commented by fastfoward.koga at 2009-07-11 12:29
桔梗さん、こんにちは。
これからもご贔屓に!