言霊の幸わう国

これからなりたい自分

 10代のころは、歳を重ねていくことに抵抗があった。
 高校生のときは誕生日に「おめでとう」とともだちから言われることに耐えられなくて、ズル休みしたこともあった。
 それが、あるときから、パタリとなくなった。

 わたしには、ものすごく影響を受けた人がいる。
 怖いぐらいに、「影響を受けた」という表現がぴったり当てはまる人だ。
 一度、K嬢にその人の話をしたら、「あのときの××ちゃん(わたしのこと)は猛スピードで走ってた」と言われて、ふたりで大笑いした。そのくらい、わたしはその人にまっすぐに向かっていたのだ。

 出会ってから10数年。さすがにそのくらいつきあいになると、ふたりの関係にも波があるから、遠くに離れてしまったり、ニアミスするくらいに近づいたこともある。
 でも、どんなときも2年先を行く、その人の背中を見ていた。その人がいるから、大人になることも、歳を重ねてゆくことも怖くなかった。
 その人がいつもいろんなことを先にやってみせてくれたから。

 知り合ってからの時間のわりに、かわした言葉や共有できた空間は圧倒的に少ないけれど、ひとつひとつの関わりに重みを感じている。
 数年前までは、こんな関係がずっと続いていくのかなと思ったこともある。
 でも、もういい。受けた影響が大きすぎて、ちょっと疲れた。
 それに、わたしはもう、その人の背中を見ていなくても生きていける自信がある。
 生きていける自信、なんていうと大げさだけれど、これから先、なりたい自分がちゃんと見えているから大丈夫なのだ。

 その人は言った。
「車を運転してると、見てる方に自然とハンドルを切ってしまうやん。それと一緒。なりたい自分がはっきりしてれば、なりたい方へいけんねん」と。

 長々と身をもって教えてもらったので、そろそろひとりでがんばらなきゃね。
「歳とるの、楽しそうやしな、自分」と誉めてもらったことだしさ。

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by fastfoward.koga | 2005-03-21 21:12 | 一日一言