言霊の幸わう国

尾道里帰り・番外編 ~デラックス

 よしっと踏ん切りをつけて対潮楼を出たあと、わたしはさっき見ていた海沿いの道へ出た。
 行きにバスで1度通っていた道。
 でも対潮楼から見るとまったく違う場所に見え、再び降り立ってもまた違う場所に思えた。

 海沿いの防波堤の上には釣り道具を手にした人たちがたくさんいた。
 わたしもあっち側を歩きたいなと思う一方で、そろそろお昼を食べるお店も探さなくてはと結局反対側の道に留まった。

 ぽつりぽつりあるお店の店構えやメニューを見ながら、バス停ひとつ分往復プラスちょいを歩いてあるお店に入った。
 カウンターの奥の席に案内され、一応メニューを開いてみるものの心はひとつ。
 やっぱりここは鯛めしでしょう! とその名も「鯛めしデラックス」を注文した。

 ちらっと隣の人の食事の様子を見ると、鯛めしデラックスはかなりのボリュウムの模様。
 いつもならためらうところだけれど、朝ゴハンを抜いていたことと13時を回っていたことで自分にゴーサインを出した。
 手際のよい店員さんのおかげで、あっという間にわたしの前には豪華な食事が並んだ。
 おひつに入った鯛めし、驚くほど厚く切られた鯛のお刺身。小鉢にお汁などなど。
 うおーっという心の叫びが声なって漏れそうになるのを押さえ、いただきますと軽く頭を下げる。
 食べる順番、お腹の満たされ具合。慎重にいかにおいしく食べられるかを考えながら食べる。
 端から見るとあやしいかもしれないけれど、旅先でひとりでゴハンを食べるといつもこんな感じだ。

 余裕かと思われた鯛めしデラックスは結構手ごわく、お茶碗1杯半が少し苦しかった。
 でも上品な薄味で鯛の味をめいいっぱいさせたこのご飯を残すわけには、と妙な使命感で最後は食べ切った。
 最後に、大変おいしゅうございましたと心の中で手を合わせる。

 お店を出たあとは、念願の防波堤に上る。
 立って歩くと、あまりの高さに体がぐらついた。
 それを、たいして強くない風のせいにする。
 
 遮るものがない開放感をここでも感じる。
 ひょいっと足を浮かせたら、飛べそうな気もしないでもない。
 お腹いっぱいになって、ちょっと調子に乗りすぎだ。
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by fastfoward.koga | 2009-08-12 20:32 | 旅行けば