言霊の幸わう国

8月の巻

1  クラフト・エヴィング商會
            テーブルの上のファーブル
2  みうらじゅん  色即ぜねれいしょん
3  西川美和   ゆれる ※ 
4  北村薫     空飛ぶ馬 ※
5  狐        水曜日は狐の書評 
6  平野啓一郎  あなたが、いなかった、あなた 
7  金原ひとみ   オートフィクション

(テキスト)
・岸本葉子   ぼんやり生きてはもったいない
・岸本葉子   幸せまでもう一歩


 今回の旅のお供は、平野啓一郎の『あなたが、いなかった、あなた』から始まった。
 スクーリング中に近くの書店で購入し、リュックに詰めて連れて行った。

 今まで難解そうで手を出さなかった作家、平野啓一郎。
 店頭でぱらぱらと捲ってみて、これなら読めるかもと手にしたのだが、いつも旅をしているときのようにはいなかった。
 まさに牛歩のごとし。
 ページから一瞬でも目をそらすと、文字を追いながら別のところに意識が飛ぶと、もうわからなくなる。
 何度も、少し戻って読み直した。

 1番時間を費やした『フェカンにて』を読んでいると、こんな場面に出くわした。

「大野は、今回の旅に、『罪と罰』の下巻を携帯している。(中略)五年前の旅には、二冊の本を持ってきていた。一冊は、ヘンリー・ジェイムズの『デイジー・ミラー』である。もう一冊はアラン・ロブ=グリエの『覗く人』である。この選択に、特に目的のあった訳ではなかった。ただ、どちらも読むのに苦労しそうだったので、手許に外に何もなければ、途中で投げ出さずに最後まで読むだろうと考えての事であった。」

 平野くん、わたしの場合は君がそれだよ、それに近いのだよ。
 そんなことを呟いたのは、勝浦駅に向う途中だったか。
 
 翌日、わたしはやっとその1冊を読み終えた。
 旅だったから、おもしろさが増した気がしないでもない。
 でも結果、おもしろかったのだからそれでいいのだ。
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by fastfoward.koga | 2009-09-08 22:50 | 本の虫 | Comments(0)