言霊の幸わう国

夏休みのあとにくるのは2学期

 今日は、ずっとベッドの上で本を読んでいた。
 読書日和のお天気で、窓から吹き込む風は全開にしていると時折冷たさを感じるくらいだった。 

 旅前、旅中、旅後、それぞれの時期に手をつけ始めていた本が、計3冊。
 それを1冊ずつ、仕事をこなすように読んでいった。

 1冊は読み返していたものだったから、すぐ読み終えられると予測はついていた。
 でも旅後に買い求めた本は河出書房新社から出ているケルアックの『オン・ザ・ロード』という作品で、ハードカバーでしかも解説までで445ページある大作だったから、右に左にと寝返りを打ったり、起き上がって正座したり胡坐をかいたりと、忙しく姿勢を変えて読んだ。
 それを終えたところで、実はレポートを書くためにテキストを手にしたのだが、勢いがついてしまい、あとの1冊が気になって本を持ち替えた。
 それを今読み終えて、今は、今日1日の任務を果たした気になっている。

 先日返却されてきた短い作品の添削に、「もっと本を読みましょう」と書かれていて、まだ読むのかよ、と思わず呟いたけれど、まだ読まなくてはならないらしい。
 そう書かれたからというよりは、自ずとそういうきもちになってきた。

 読んでいると、がっかりすることが最近多い。
 どうして自分はこういう文章、作品が書けないのかなと思うのだ。
 それは自分自身の力量を認識した上での思いなのだが、目指しているのがそう感じた文章や作品そのものというよりは、自分が思うように書ききれていないことがそう思わせるのだとちゃんとわかっている。
 わたしは、自分の背丈より少し高いところにあるものを見ているのだ。

 旅前はそんなきもちがネガティブという名の塊となり、読むのが若干億劫だった。
 でも旅で少しイガイガしたきもちがフラットになり、書くことから頭を切り離して単純に読む行為に没頭した。
 ぐちゃぐちゃ考えて読むと言葉は斜めにしか頭に入ってこないが、なにも考えずに言葉を追えば、一流の水泳選手の飛び込みのようにするっと物語の中に入ってゆける。

『オン・ザ・ロード』を読み終えたとき、わたしはイスに座っていた。
 振り返るとさっきまでごろごろしながら読んでいたベッドがあって、そこが一瞬前までのわたしの世界のすべてだったんだなと感じた。
 主人公と同じように、わたしもベッドの上で何度もアメリカを縦断し、横断していたのだ。

 わたしが両手を広げて作る世界は、やはり小さい。
 でも読んだり書いたりしたもので、広げたりはできないのかなとかすかな希望を持つ。

 さあ、勉強しよう。 
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by fastfoward.koga | 2009-09-09 22:56 | 一日一言