言霊の幸わう国

9月の巻

1   西加奈子   しずく ※
2   北村薫     夜の蝉 ※
3   北村薫     六の宮の姫君 ※ 
4   芥川龍之介  羅生門・鼻 
5   北村薫     朝霧 
6   池澤夏樹   スティル・ライフ

(テキスト)
・ケルアック  オン・ザ・ロード

注) 番号は読んだ順番です。※印は、再読した本です。


 今月「世界文学を読む」というスクーリングを受講するにあたり、ケルアックの『オン・ザ・ロード』を皮切りに外国作品を今も読み続けています。
 昔から海外文学は生活スタイルが理解できないとそこでつまづき、物語が頭に入ってこないのでなかなか手に取ることが少ないのですが、こういう苦手意識を克服して読書の幅を広げることが再入学の目的だったのだと、1冊ゆうに3、4センチもあるハードカバーの重みを楽しみに変えているところです。
 
 8月のスクーリングで年上の同級生たちがすでにケルアックの『オン・ザ・ロード』に手をつけ始めていて、みながなかなかページが捲れないとぼやいていたのでどうなることかと思っていましたが、これがまたおもしろくわたしには合っている作品でした。
 これは1957年にアメリカで発表された作品で、20世紀半ばまだアメリカでマイホームや家族がみなの憧れの中心であった時代に、若者がいく度もアメリカそしてメキシコを縦横断する話です。
 猛スピードで走る車で、放浪と放蕩をくり返し、主人公サルは友人ディーンに引っ張られるようにこの道の先にもっと楽しいことがある気がすると、探し、求め続けます。
 そのはちゃめちゃぶりときらたら!
 旅はわたしもすきですが、そのわたしの理解を超える時間と体力とお金をいずれも無駄遣いし、大勢の人を巻き込みながらディーンとサルの旅はどこまでも続いてゆきます。
 あきれながらも、物語の中で暴走する車のように、後半は一気に読み進めました。
 きっとサルたちの乗る車が、ちょうど旅帰りだったわたしのきもちに並走したのだと思います。
 だからこそ、サルの「いきなりわかった。狂人のようにわかった、いままで知り得たこともこれから知り得ることもつまりはひとつのことなのだ、と」という文章にガーンと頭を打たれ、心まで奪われたのです。
 旅で感じるあの感覚を、サルも今感じたのだ! と、本を高々と上げ、小躍りしたいほどでした。

 途中からは物語の中にどっぷり浸かり、永遠に物語と旅が続いてゆくんじゃないかと思っていました。
 それはまさに、わたしがよく「永遠に世界から離れるときに持っていく八つ」で選ぶ「いつまでも終わらない小説」が現実になったかのよう。
 いやー、ほんとうにおもしろかった! と今でも思い出して唸れる作品です。
 次は数年後になるでしょうが、読み返したときにどんなことを感じるのかが楽しみです。


 ※コガ図書室に読んだ本をアップしました。現在蔵書は958冊です。
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by fastfoward.koga | 2009-10-01 20:29 | 本の虫