言霊の幸わう国

地図の上を滑る

 昨日は眠れなかった。
 そうなるから昼寝はするなとあれだけ言ったのに、と己に戒めつつ、本を開いては閉じて灯りを消し、数10分うとうとして首のすわりが悪いと寝返りを打って目が覚めて、また本を開き。
 それをくり返すこと2時間半。
 眠りにしっぽを捕まえたと思ったところで、どうでもいい人間のことを思い出して、そこから数珠繋ぎで腹立たしいことや、ふられた日のことを思い出したり、寝る前に一瞬迷って聴いたスローテンポな曲のメロディが頭から離れず、途中でもうあきらめた。
 1日くらい眠れなくても死にやしない。

 でもなんだかわからないけれど、無性に悲しくなった。

 仕事初めの今日、朝は意外にすっと起きられた。
 昼をすませたあとは頭が重くなったけれど、やることがあるといつの間にか吹き飛んでいた。
 でも暗い道を歩いていると、また昨日の影がすすすと寄り添ってきそうだった。
 これではいけないと気分転換でもと寄り道したけれど、ブーツの中で脚をむくませただけで、手ぶらで帰ってきた。

 帰ってくると、机の上には宛先不明で返ってきた年賀状が1枚。
 確認すると、引っ越し前の住所で送ってしまっていた。

 部屋に入って、部屋着に着替えたあと暖房をつけた。
 テレビは1度つけてすぐ消した。
 オーディオの電源をオンにして、andymoriをかけ、地図帳を開いた。
 指を挟んで開いたページは、新潟県南部。
 ちょうど今日、直江津は何県だ? という話が出て、背中を向けていたわたしはタイミングを計って「新潟県」と答えを告げた。
「新潟でも富山寄り。」
 手で新潟県の形を作りながら、そう言う頭の中にはいつか眺めていた路線図が鮮明に現れていた。

 あぁ、旅に出たい。
 でも今ひとりで旅に出たら、怖ろしく寂しいだろう。
 と、地図をめくっていたら落ち着いてきた。

 今夜は、日本地図か路線図を思い描いて眠ろう。
[PR]
by fastfoward.koga | 2010-01-04 21:14 | 一日一言