言霊の幸わう国

木曜の夜

 月曜から金曜までの定型勤務に替わってから、金曜日の夕方が少し特別になった。

 すっかり暮れてしまった道を、靴音を鳴らして駅へ急ぐ。
 なにが待っているわけでもないのに、スピードは緩められない。
 帰ったらなにをしよう。
 土曜日はなにをしよう。
 日曜日はなにをしよう。

 まあ今は課題とかレポートのことばかり頭に思い浮かんで、色気もない。
 でも、あの本を読もうとか、あの音楽を聴こうとか、あれを書こうとか考えるのは楽しい。
 ちょっと厚い上着を脱いだような開放感が、帰りの電車の窓に映る自分に滲んでいるのが見える。
 うちに帰って部屋に入ると、手にしたカバンを放り投げて、バンザーイとやりたくなる。

 そういう意味で、木曜の夜は気が抜ける。
 サイコロを振っても振っても、前にも後ろにも進めない。
 そういう夜。

 でも、今夜は月がきれいだな。
 
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by fastfoward.koga | 2010-01-28 23:18 | 一日一言