言霊の幸わう国

ウイウイウイスキー

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 ウイスキーはほとんど飲んだことがない。
 ないのに、誘われてサントリーの山崎蒸留所の工場見学に行ってきた。

 土曜日の午後、JRの山崎駅から山崎蒸留所へ歩いていると、ふんわりとお酒の匂いがいした。
 蒸留所は、遠くからでもよくわかる目立つ茶色い建物で、今までずっといろんな電車の中から見ていた。
 その建物が見えていないのに、ウイスキーはすでにその存在感をあらわにした。

 1時間ごとに設定されている見学コースは、意外や意外、人気があるようで大勢の人がその始まりを待っていた。
 全員で50人くらいだろうか。それをふたグループに分け、仕込み、発酵、蒸留、貯蔵の順に作業工程を順に見せてもらう。
 その場所その場所で香るアルコールの匂いが違い、それだけできもちよくなった。

 ウイスキーについての知識など、皆無だった。
 シングルモルトがひとつの蒸留所で作ったウィスキーのことだということも、樽の種類によって味や香りが変わることも、それをブレンダーと呼ばれる人が混ぜ合わせてひとつのウイスキーとなることも。
 なんにも知らなかった。
 貯蔵庫には、年号の記された樽が高く積まれ、ひっそり息をひそめて出番を待っている。
 そうしていつか共に眠った、でもどの樽かもわからないウイスキーとひとつになるのだ。 

 工場見学の最後は、お楽しみの試飲。
 山崎のおいしい水で作られた氷がウイスキーグラスにたっぷり入った、ハイボール。
 時間制限いっぱいまで、山崎蒸留所で作られた「山崎」と、山梨蒸留所で作られた「白州」を飲み比べた。
 
 そのあと案内されたショップは、大賑わい。
 工場見学は無料だけれど、みなサントリーの商売のうまさにやられていた。
 何周も何周もそう広くないショップをぐるぐる回っていたら、村上春樹の『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』を見つけた。
 本を手に、ああやっとこれが読めるのだと思った。

 そして調子に乗って買った、「山崎」と「白州」の10年物(180ml)。
 いつ封を切るか。
 それが問題だ。
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by fastfoward.koga | 2010-02-14 21:24 | 一日一言