言霊の幸わう国

衝撃の6時22分

 朝、ぱちりと目を覚ました。

 見えた景色が白っぽくて、寝転んだまま右手を伸ばしてキティちゃんの目覚まし時計を掴んだ。
 長針と短針の重なりがいつもより近かった。
 上半身を半分に折って起き上がり、メガネをかけ、飛び起きてスリッパを引っ掛けて部屋を飛び出した。
 そこまでの一連の流れに無駄はなかった。
 ああ、自画自賛。 

 そして、とりあえず奥の部屋で寝ているハハに向って思わず叫んだ。
 お母さん、大寝坊や!

 部屋を出る前、念押ししようと思ったのか、無意識に視線をやったビデオデッキのデジタル時計に表示されていた時刻は、6時22分。
 自らのあまりの大物ぶりに後悔も放心もすることなく、わたしの体はただスタートの合図に反応した短距離選手のように、今から何分後にうちを出ることができるのかに挑戦するべく滑らかに動いた。
 そして、もうひとつ付け加えておきたいのが、20年来(そろそろ30年来)の品物のため超アナログで、ジャスト0分以外は時間をセットするのが難しく、20分に起きたい日も、25分に起きたい日も、22分にベルが鳴るキティちゃんとは強い絆で結ばれているのか、寝坊したのはきっかり1時間。
 そこに自分の几帳面さを垣間見た。

 今週は仕事の密度が濃ければ、残業もあり、唯一ノー残業デーだった水曜日も用事があって寄り道をしたせいで、うっすら溜まる埃のように疲れは蓄積されていた。
 それにしても目覚ましをセットし忘れるとは。
 2度も3度も確認する日もあるくらいなのに、昨日は読みかけの本を3ページほど読んだらそのままコテンと眠ってしまった。
 それでも調子のいいときは5時22分前後にいやな予感がして目を覚ますこともできるけれど、今日は無抵抗のまま1時間が経過してしまった。

 朝食抜き、新聞抜き。
 とりあえずお風呂と化粧と歯みがきとドライヤーに徹し、6時58分にうちを出た。
 そして会社についたのは、いつもより5分早かった。
 普段より停車駅の少ない通勤特急に乗ったせいだ。

 いかに毎朝自分が余裕のある時間の使い方をしているか、内側からじわじわきた。
 時間がない時間がないといつも思っているけれど、違うなあと立ちんぼの電車の中で思った。
 でもでもでもでも、あせって支度をしてぎゅうぎゅうの電車で会社に行くのはいやなのだ!

 ということで、これからも起きるのは5時22分。
 まだまだキティちゃんには世話をかけるねえ。
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by fastfoward.koga | 2010-03-05 21:36 | 一日一言