言霊の幸わう国

サークル

 今日はK嬢と休みをとって、「最後のマンガ展」を見てきた。
 宣言どおり、1月1回、2月1回、そして3月1回と、計3回見た。
 同じ展覧会を2度見たことはあったけれど、3度は初めてだ。
 でも3度見ても飽きないし、3度見ることをためらわないし、3度見ても毎回違うものをもらった。

 今日はどんなに時間がかかっても列を飛ばさず、1枚1枚の絵を間近でゆっくり見て歩いた。
 絵に顔がくっつくほどの距離で見ると、えんぴつで書かれた下書きが見えたり、1本1本の線の細さや筆の勢いが感じられた。
 前の男の子たちはマンガを描くことにくわしいのか、「ホワイト入ってる」とかなんとか言い合いながら見ていた。
 それぞれがそれぞれの楽しみかたで、残り3日となったマンガ展を満喫していた。

 1回目は『バガボンド』を読まずに行き、2回目は32巻まで読んでから行き、今日は前回買った公式図録までも頭に入れて行った。
 今思うと1回目はマンガ展の空気に飲まれて、いったいどこを見て帰ってきたのかというくらい味わい方が甘かった。
 2回目は、ストーリーの意味を余すところなく読み取ることができた。
 そして最後の今日は、武蔵になって読んでみた。
 そしたら、絵の前で動けなくなった。
 感情移入しすぎて、立ち尽くした。

 マンガ展の持つ空気というか雰囲気は、いつもとても大きくて温かい円みたいだ。
 でもそれは強いものでなく、摘んで爪を立てたら風船みたいに弾けて割れそうな、大切な感じがする。
 行って帰ってくるたびに、しばらくその円の中でふわふわするのがとてもきもちよかった。
 名残惜しくてあとからその空気の再現を試みると、近かったのは、旅から帰ってきて荷物を片付けたあとの自分の部屋だった。

 マンガ展で、踏みしめた白い砂。
 ざくざく鳴る砂。
 ああ、何度でもそこに帰りたい。
 ・・・仙台に、帰るか?
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by fastfoward.koga | 2010-03-12 20:39 | 一日一言