言霊の幸わう国

装丁家

 この間の日曜日夜の「情熱大陸」を見た人はいるだろうか?
 ちょうどわたしは夜勤で、新聞のテレビ欄を見てビデオを予約しようと思っていたのに、忘れて出勤してしまった。わたしが食事の時間に、ちょうど勤務を終えて帰ろうとしていたOさんにそのことを話すと、撮ってあげるよ、と快く引き受けてくれた。

 今思うと、なにに惹かれて、人に頼んでまで見ようと思ったのだろう?
 でも、見ると、理由はわからなかったけれど、見たいと感じた自分のアンテナを誉めた。
 一度見て、またすぐ巻き戻して見直したくらいの内容だったのだ。

 登場したのは、装丁家の鈴木成一だった。
 装丁家というのは、本の表紙のデザインをする人のことだ。
 わたしは今まで、装丁家がデザインをするのは、表紙だけだと思っていた。が、番組を見ていると彼は、目次や紙の厚さにもこだわったり、文字を創ったりもしていた。
 ちゃんと内容を読み込んでデザインを決めるだけあって、そのこだわりはなんともすごい。

 たくさんの本を読んでいる中で、装丁家の存在を意識したことなど今までなかった。
 でも、確かに、本を開いたときにその文字の形や紙の色などにしっくり感があって、安心するようなきもちになったり、ストーリーにのめり込むきっかけになったものがあった。
 なんてすごい職業なのだろう。
 文章で自分の思いを表現したいと作家が書いたものを、さらに多くの人が手にとるように世界を広げる装丁家。
 わたしはひとりだし、デザインなんて手も出せないから、書くことから始まって書くことでしか終えらないけれど、装丁家が加わると、書くことがデザインすることにつながっていく。今までそんな世界を想像したこともなかった。

 感動。
 この一言につきる。
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by fastfoward.koga | 2005-04-07 22:12 | 一日一言 | Comments(0)