言霊の幸わう国

社会人の明日

 最近、仕事のことを聞かれると口がもごもごする。
 どう? なんて質問されても、言葉は見つからない。
 というより、誰かに聞かれる前にちょっとでも考えたことがあれば記憶の抽斗からすっと出せるはずだから、正しくは考えてもいないのだ。

 大学に行くようになってから、忙しいとかしんどいとか疲れたという言葉の頻度は減った。
 思わず出てしまうことはあるけれど、言っても楽にならないとわかる程度に頭が働いているときには、ふうっと息を吐いて代用している。
 忙しさもしんどさも主観的で、この程度で言うのは知らない誰かに悪いなと思うのだ。

 だからと言って、疲労感がないわけではない。
 思うように進まない複数の仕事や、うだつの上がらない課長のいねむりとそれとは真逆の針が振り切った部長の声に閉塞感を抱いてしまい、会社を出たあとも心のシャッターを下ろした自分が久しぶりに出てきたのがわかった。
 帰りの電車でも傘の持ち方の横着なサラリーマンに、客を客とも思わないバスの運転手にムッとしながらも、怒りの沸点が上がらないようにそろそろとうちへ向った。

 そんな平日。
 せめて着てゆく洋服で気分を上げなければ、と、つり革を持って考えるのは明日の洋服。
 天気と気温がどんなものなのか、見当をつけながら頭の中でシミュレーション。
 鏡を覗いて肌の調子を確かめながら、今週もひどくなりそうな目の下のクマを撫でる。
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by fastfoward.koga | 2010-05-24 23:11 | 一日一言