言霊の幸わう国

アチチのチ ・・・地獄の団体戦・京都編

 京都会館にライブを見に来るのはいつぶりか?
 ともに出かけたK嬢と、そんな会話をかわした。
 高校生のころコンサートに行くと言えば、場所はいつも京都会館だった。
 京都人にとって京都会館は特別。
 今年50周年を迎えるというその会館で、くるりのふたりにも思うものがあったらしい。
 MCで岸田くんが初の京都会館について、「武道館より京都会館でやりたかった」と言うたときは、さほど広くない会場中が湧きに沸いた。
 それで盛り上がらないわけがない。
 わけがないちゅうねん。

 しかもセットリストは、大阪とはがらりと変えてきた!
 断然京都のほうがいい! とK嬢に熱く語ったほどいいセットリストで、内心ちょこっと変えてくるくらいやろうと高をくくってたから、1曲目の『The Veranda』のイントロが始まったときは度肝を抜かれた。
 しばらく頭の中にクエスチョンマークがいくつも浮かんで、しばし呆然。
 そのあと『さよなら春の日』、『ハローグッバイ』と続き、出だしで3曲しっとり聴かせて、なおかつ『ハローグッバイ』の最後の岸田くんとさとちゃんのハーモニーが美しすぎ、曲が終わったときは盛大な拍手が起こった。
 わたしはと言えば、あー、またもっていかれた~と、ちょっと悔しいようなうれしいようなきもちでステージを見上げてた。

 MCを挟んで、続くは『ラブソング』に『ガロン』。
 大阪のときもやったけど、今回『ガロン』ではさとちゃんが前、岸田くんが後ろの二人羽織が登場。
 曲の途中でさとちゃんが鉄琴を演奏している少しの間、後ろに立つ岸田くんがさとちゃんのお腹に手を回してベースを弾くという、ある種曲芸。
 その姿に、また会場はどっと沸いた。
 
 そして新曲やります。アルバムは9月に発売です、と前置きして、『さよならアメリカ』、『温泉』、『麦茶』。
 中でも『温泉』は覚えやすいメロディで、わたしは次の日気づくと仕事をしながら「風呂に入って肩まで浸かって~」と始まり、サビで「あーアチチのチ」と口ずさんでた。

 どんなアルバムになるのか、ほんま楽しみ。

 さてさて、ライブは中盤。
『サンデーモーニング』、新曲『目玉のおやじ』、『ノッチ5555』とテンポのよい曲が続いたところでさらに会場は盛り上がり、「みんな、ヘビメタ聴く?」という岸田くんの問いかけのあと『イメージファイト』。
 そして、楽しみで楽しみで仕方なかった『BLUE NAKED BLUE』。
 この日もさとちゃんは期待を裏切らず、会場中の歓声をさらっていった。
 曲が終わったあと、「もっと佐藤くんに歌ってほしいやろ?」と煽る岸田くんに、さとちゃんは「なにゆうてんねん」と照れていた。
 そこで話題はカラオケに移り、「佐藤くんはカラオケ行くと『悪女』とか歌う」とか「『東京』をカラオケで歌ったら38点(39点かも)やった」と岸田くんが言うもんやから、爆笑が起こった。

 そんなMCでひと息つくと、そろそろ終盤やなあと思った。
 でもまだそこから楽しませてくれるのが、くるり。
 この日は、ほんまに最後の最後まで、端から端まで、余すところなく満喫させてもらった。

『サマースナイパー』、『ベーコン&エッグ』、『pray』、7月に発売される新曲『魔法のじゅうたん』、そして最後は『地下鉄』で本編終了。

 この日、アンコールを求める拍手は一段と大きく聞こえた。
 恒例のさとちゃんのグッズ紹介が終わったあとは、さとちゃんもギターを抱え岸田くんとふたりで『真昼の人魚』。
 アコースティックギターの音色が高くどこまでも澄んでいて、なんていい曲やったんやと思った。
 そしてこの曲でK嬢とわたしに強い印象を残したのは、さとちゃんの足。
 高いスツールに腰掛けたさとちゃんのちらっと見えるふくらはぎと足首のライン。
 帰りのバスでそのことを口にして、互いに同じこと思ってたんかと爆笑し、次の日もメールでそのことに触れるくらい、すっかりきもちはもっていかれた。

 そのあと、遅れてboboさんが登場。
 演奏の前に、岸田くんが「早い曲とゆっくりなんとどっちがいい?」と問うてきたけど、考えていたことはみんな同じやったんやろう。
 少し間が空いて、誰かが「どっちもー」と叫んだ声に歓声が上がった。
 岸田くんは一瞬苦笑いしたように見えたけど、結局『ギター』と『東京レレレのレ』をやってくれた。
 この日もたくさん降ってきた花びらの形をした紙ふぶきを見つめながら、あぁもう終わるんやなあと、リアルタイムの楽しさと共にあとのことを思うとちょっと寂しくなった。

 でも京都はこれで終わらなかった。

 大阪はアンコール1回ですぐに客電がついてアナウンスが流れたのに、ステージはメンバーが去ってもそのまま。
 これは! と、アンコールを求めるみんなの拍手がさっきよりもさらに大きくなった。

 再登場した岸田くんは、「もうちょっとだけやらせてください」と殊勝なことを言うて始まったのは『尼崎の魚』。
 聴きながら、ほんまにほんまに最後やーと思っていたら、まだあった。

「他の会場の人にはシングル曲はやらへんって言うてたから悪いんやけど」と断ってから、口にしたタイトルは『東京』。
 あんなに胸が沸き立って聴いた『東京』はない。
 ほんまに何回聴いてもいい。


 席を立って、ホールを出る足は浮き足立っていた。
 ふわふわ、ふわふわ。
 うちに帰ってからも、夢の中でも、朝目が覚めても、興奮冷めやらず。
 頭の中でずっとくるりの曲が演奏されていて、ずっと小さな声で歌いながら仕事をした。
 余韻はいつまでも続いた。
 

 ※ 自分が感じたこの幸せ。
   なんとかおすそ分けできたらいいのになあと思うばかりで、筆はすべりっぱなしですみません。
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by fastfoward.koga | 2010-06-09 20:39 | 一日一言