言霊の幸わう国

「週末は甲府にいます」  ~水しぶきたっぷり昇仙峡

 今回の甲府行き。特に行きたい場所があったわけではなかった。
 ただ、全都道府県への旅を終えた今、自力&自腹で行っていない場所を今度は行ってみようというきもちで山梨を選び、行くなら県庁所在地からという半ばお堅い頭で考えた結果だ。
 だから、期待らしい期待はしていなかった。
 もともと、行ったことのない場所に行くだけで充分楽しめるので、そんなきもちはあえて用意などしていなくてもいいのだ。

 でも、甲府は楽しかった。
 想像以上に、楽しかった。
 もちろんひとりじゃなかったことも理由のひとつだろうけれど、もしひとりで同じコースを巡ったとしても、必ず同じことを思ったはずだ。
 行ったことのない場所があるということ。
 それってもったいないなあと、また今回の旅でも思った。

 2日目の朝は7時過ぎに起き出し、各々のペース配分は互いに熟知しているのでもたもたせずに支度と荷造りは完了。
 コガトラベル代表、ちょっと勘違いしてかなりの大回りで甲府駅までご案内するも、K嬢とY嬢には文句も言わずについてきていただいた。
 駅で軽く朝食をとり、まずはバスで昇仙峡を目指す。
 下調べではグリーンライン経由のバスに乗車しようと考えていたのに、ロータリーに入ってきたバスがそうだとすっかり勘違いし、出発したあとに昇仙峡までの経路が違うことをアナウンスで気がついた。
 数分差で昇仙峡行きのバスが何本もあるとは思っていなかったのだ。
 あら~と思ったけれど、こういうハプニングも旅には付きものと、ロープウェイ近くのバス停で降りることにした。

 が、これの間違いが幸い。
 あとで知ることとなるのだが、昇仙峡周辺を一方通行で散策するならロープウェイ側からグリーンラインへと向うほうが下りになっていて楽だった!
 間違えてみるもんだと、ひとり、内心思っていた。

 ということで、とりあえずロープウェイに乗ってパノラマ台駅へ。
 残念ながら、昼から雨という予報が出ていたので、上ってみても周辺は靄がかかっていて、景色を望むことはできなかった。
 まあ梅雨時期だ、仕方がないかと思いつつも、高いところにいるという感覚はいいきもちだった。

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 速いスピードでぐんぐん上り、ぐんぐん下るロープウェイをあとにし、そこからはぶらぶら話をしながら道なりに歩く。
 途中、巨峰のプレミアムソフトという看板を目にし、三人で「プレミアム」が気になるなあ、帰りに食べようかと話をする。
 実はこの時点では折り返すつもりでいたのだが、言いだしっぺの代表自らが距離感を掴んでおらず、結局遊歩道を下るだけ下ったらそのまま帰ってしまったために食べることはできなかった。
 代わりに、バスに乗る前に普通の巨峰のソフトクリームを三人で分け合って食べた。

 少し細い道に入りそのまま道なりに進むと、大きな水音が聞こえ始めた。
 行く先に開けた場所が見え、立ち止まる人たちの様子から滝や! と察してふいに振り返ると、想像していた以上の大きな滝、仙娥滝(せんがたき)が現れた。
 昨年茨城県で見た袋田の滝も横幅があり、たいがい大きいと思ったけれど、こちらの滝は高さがあるせいかもっと迫力があった。
 手すりのある場所まで近づくと、微かに水しぶきが顔中に当たる。
 普段空気清浄機にマイナスイオンが出ると書かれていてもあまり信用していないけれど、そこでは思わず「マイナスイオンだ」と言ってしまうほど感じるものが違っていた。
 滝が高いせいではない。
 そういう場所では、知らず知らずのうちに恩恵を受けようと、顎が上がり視線が上に向くのだ。
 単純だが、胸の上あたりでつっかえていたものが解けてゆく感じがした。

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 三人でテンション高めに、近くから遠くから滝を眺める。
 その滝も昇仙橋を渡ってしまうと見えなくなり、川の流れに沿って歩いているうちにだんだん小さくなる水音を寂しく思った。
 でも、さすがに滝ほどの迫力はないけれど、川面に上がる水しぶきも力強くて見ていても飽きなかった。
 理由はわからないけれど、わたしは静かに打ち寄せる波よりも、ぐいぐい流れる川を見ているほうがすきなのだ。
 そこにベンチがあったなら。
 しばらくじいっと見ていたことだろう。

 滝の周辺からしばらくは賑わっていた遊歩道も、みな車で来ているのか、ほとんどの人が折り返していなくなってしまった。
 それじゃあと、ここぞとばかりに道いっぱいに広がって三人で歩いていると、脇に立つ電柱にクマのイラストを見つけた。
 へえ、クマが出るのか。
 一緒に書かれている注意書きには、クマが出たのは7月3日午前8時30分ごろとある。
 見覚えのある日付に脳が反応し、しばらく思考回路がショートしたあとよくよく考えたら、7月3日とは今日ではないか!
 
 そこからは三人で賑やかしい声を出しながらバス停へ向った。
 鈴の代わりにでもなればいいと思っていたのだ。

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by fastfoward.koga | 2010-07-14 22:19 | 旅行けば