言霊の幸わう国

「週末は甲府にいます」  ~ミレーと芥川

 バスで昇仙峡から甲府駅へ戻り、遅めのお昼。
 ここはやっぱりほうとうでしょうと、駅前の「小作」という有名なお店に入る。

 ガイドブックで見るだけで、味の想像などできるものではない。
 というか、今回の山梨行きはなににおいても予想も期待もしていなかったので、良くも悪くもフラットな状態。
 だから注文したほうとうのお汁をひと口、口にしたあと、そのおいしさにうおーっと唸った。
 岩手のじゃじゃ麺に続くヒットやわあと、食べる食べる。
 中からはひと切れが大きなかぼちゃに、合計1個半はあったじゃがいも。
 それでなくとも平打ちの太麺だけでお腹がふくれるものなのに、軽く2食分はあるボリュウムに、食べ切れずにごちそうさまをさせてもらった。
 でも、おいしかった。
 次も行ったら、必ず食べる。

c0047602_1457657.jpg














 お店を出ると、予報どおり午後から雨。
 傘を広げ次に向ったのは、山梨県立美術館。
 2009年1月にできたミレー館が目的だったのだけれど、いやいや山梨県すごいでとつい言ってしまうほど、展示品の内容が充実していた。
 特に、絵に疎いわたしでも知っている「落ち穂拾い、夏」はまじまじ眺めた。
 もう1枚はオルセー美術館にあるそうだが、同じ絵が2枚ある理由なども解説されていて、そんなすごいものをここ山梨で見ることになるとはなあと感慨深いものがあった。

c0047602_15503199.jpg












 美術館を出たあとは、芸術の森公園を横切り県立文学館へ。
 通常文学館というと、その土地に縁のある文学者の展示品が中心なのだが、ここは日本で一番芥川龍之介にまつわる収蔵品が多いという。
 その中でもわたしが一番興味を惹かれたのは、芥川の筆跡が残された『羅城門』の原稿だった。
 この作品は芥川が何度も書き直していることで有名で、その過程がガラスケースの中に順に並べられていたのだけれど、そのケースの手前に体を持たせかけ、こどものように上から覗くようにしてそのひと文字ひと文字を追いかけた。
 ひと通り見ても、またその文字が気にかかり、ぐるぐる巡りながらも結局3回見に戻った。
 芥川がすきだと明言したりしないのに、なぜかこの人のことは気にかかるんだよなあと、まだ神経衰弱に本格的に悩まされる前の、笑ってはいないのに笑ったように見える芥川の写真を見た。

 ほんの少し陽が傾き始めても、外はまだ雨。
 コガトラベル代表、ちょっと芥川にうっとりしすぎてバスの時間を見落としたため、タクシーで甲府駅へ。
 荷物をコインロッカーから取り出し、また別のバスでその日の温泉宿へ。
 途中、武田信玄を祭った武田神社の前を通り過ぎ、終点まで乗車。
 そしてここでもやっぱりK嬢は下車が近くなってから目を閉じ、それをY嬢とふたり指さして笑うのはいつものこと。
[PR]
by fastfoward.koga | 2010-07-19 16:02 | 旅行けば | Comments(0)