言霊の幸わう国

初盆

 今年2月に亡くなった同級生の初盆。
 そのタイミングで、いつも幹事をかって出てくれる友人がまた今回も仕切ってくれた。

 まだ外は明るい夕方5時。
 顧問の先生と、先輩ふたりと後輩ひとりを含めた12人で同窓会はスタートした。

 ほんとうはもっと湿っぽい雰囲気になるかと思っていた。
 お通夜の席ではほんとうに先生が辛そうで、容易に話しかけられなかった。
 あの日からみんな、それぞれ考えたり、思ったり、感じたりして過ごしてきた。
 でも先輩が来ていつもと雰囲気を変えてくれたせいか、バカ話中心の思い出話に終始し、結局夜中2時ごろまで飲んでいた。

 途中1度だけ、初盆だからと実家にお参りに行った様子を先生が話してくれた。
「納骨をすませたら、さみしくなりました」とお母さんが言われたという話には、やっぱり視線が下った。
 毎日、事故のあった踏み切りを電車の中から通り過ごすのだけれど、どうしてか、ただ彼の名を呼んでいる。
 そんなに付き合い深かったわけじゃないのに、それはいつまでたったも不思議。

 飲めるだけ飲んで、三々五々散らばってうちに着いたら、目も開けていられないくらい眠かった。
 それなのにテレビをつけてでたらめにリモコンを動かしたりして、長い長い宴の夜が途切れるのを惜しんだ。
 次の日はさすがに二日酔いで、うだうだしながら1日を過ごしていたら、1通、2通と参加した友人たちからメールが届いた。
 夕方になっても小さい文字をじっくり見る気にはならず、その場で返信はしなかったけれど、彼らのメールから亡くなった友人の名を見つけ、そこで初めて彼はいなかったのだと思った。
 
 どうしてだろう、姿はなくともあそこに彼はいたような気がずっとしていた。
 わざわざ彼の思い出話などしなくても、彼をあの晩、みな呼んでいた気がするのだ。

 こっちに顔出しただけじゃなくて、ちゃんと家族のところにも帰ってればいいけど。
 と、ここまできて心配させるのが彼らしい。
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by fastfoward.koga | 2010-08-16 22:39 | 一日一言