言霊の幸わう国

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 土日はスクーリングで、来年度の卒論準備の科目を受講した。
 事前に提出する課題の内容を間違え冷や汗をかくところから始まったけれど、自分の発表だけでなく、その他の受講生の発表に対する先生の意見は参考になるものが多く、内容の濃い授業だった。
 
 日曜の夕方は新幹線で帰るという、目上の学友のみなさんを車で京都駅まで送り、17時半過ぎにうちに帰って来た。
 車を運転している間は、早く帰れるから今日はブログで旅の続きを書こうか、ひとまず部屋の掃除をしようか、テキストの続きを読もうかと思案していたけれど、いざうちに着いたらほっとひと息つきすぎて、急にすべてに対するやる気を失ってしまった。

 暑さにやられたのか、頭を使いすぎたのか、心に重石がついたようだった。

 1番重かったのは、卒論に関してだった。
 ひとまず構想は練ったものの、どの場面から書き出せばいいかまだ見えてこない。
 というより、まだまだリサーチの必要があることばかりで書き出すことなどできるわけもないのに、スクーリングで触発されてきもちだけがあせり始めた。

 少し落ち着いて考えたいけれど、今週は仕事が忙しくてその時間はなさそうだし、いったいいつになったらそれができるのか。
 明日からは夏休みだった上司が出勤してくるから憂鬱で、仕事に行くのはいやだなあ。
 もうなにもかも放り投げてしまいたい。
 ああ、やだやだ。ああ、やだやだ。

 と、なんのもしたくなくて、夕べは22時には灯りを消した。
 でも早く眠っても暑さが眠りを妨げて、憂鬱は朝になっても消えはしなかった。

 また頭をからっぽにしてルーチンに徹し、会社に向う。
 休みボケの上司にイライラしながら、それが相手に伝わっていることをものともせず、イライラはイライラのままにして今度の会議のための資料作りに没頭した。
 残業途中、上司が先に帰ってくれたころからきもちは楽になり、予定時間の間になんとか資料は仕上げることができた。

 帰りは1本電車を遅らせて座って帰りたかったけれど、少しでも早く帰ろうとすぐにやって来た電車に乗った。
 つり革を持っている間は、気にはなってもカバンの中の単行本は開けられない。
 レポートを書くためのテキストだから付箋もつけるし、大きく揺れる電車では片手で持つのは難しいのだ。
 することないなあと、外の景色を眺めながら、卒論で書く小説のことを考えてみようとふと思い立った。

 登場人物の細かい設定、性格や容姿や口癖はどうするか、どの町を舞台にするか、そのアイデアを形にできるようどうやって情報を集めるか。
 左手でしっかりつり革を握りしめ、そんなことをひとつずつ考えていたら、ばらばらのビーズが1本の糸で繋ぎ合わされる感覚を覚えた。

 これをやるから、あれができる。
 あれをやるために、これが必要。

 うちに帰ったら、ひとまずこれを箇条書きにしてみないとな。
 そう思ったら、頭の中で、お腹の中で、心の中で、こんがらがっていた太いロープがぎしっぎしっと緩んだ。

 ちいさなことからこつこつと。
 さっき会議資料を作ったように、ひたむきに、順番に、落ち着いてやっていくしかないのだ。
 明日から卒論用のネタ帳は持ち歩き、箇条書き生活を始めることにしよう。
 一足飛びにできるものは、目の前にはなにもない。
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by fastfoward.koga | 2010-08-23 23:14 | 一日一言 | Comments(2)
Commented by the-sahara at 2010-08-26 17:39
ご無沙汰しております。
お元気ですか?

最後の一文に、目を奪われました。
つい、一足飛びを望んで、背伸びしたくなるのですが、ああ、今がこらえどころなのかな、と考えてしまいました。
Commented by fastfoward.koga at 2010-08-26 20:06
さはらさん、こんばんは。
こちらこそ、ご無沙汰しております。
わたしは元気にしておりますよー。

最後の一文、と書いていただいて、改めて自分の書いたものを読みました。
そう、わたしもこらえどころです。
お互い、むむむとこらえて、ここぞというときに大きくジャンプ! しましょうね。