言霊の幸わう国

影絵

 暑さが続くせいか、8月が終わる気がしない。
 いつもなら8月31日から9月1日に日付が替わるだけで、夏は終わったと思うものだけれど、今年はどうなんだろう。
 このままカレンダーどおり9月になるだろうか。
 8月の次には別の新しい場所へ連れていかれて、1年は365日ではなくキリのいい400日になったりして。

 なんて、わたしのつまらない想像を、太陽は現実に引き戻す。

 少し会社が出るのが遅くなると、西の空はいい感じで暮れている。
 西日のまぶしさをカーテンで遮らなくても、ゆっくり空を眺めていられるようになってきた。
 いつまでも太陽が空を陣取る、夏の空ではない。
 陽は確実に短くなっている。

 ビルや住宅街の屋根が作る輪郭が、影絵のようにくっきり浮かびあがる。
 その間に、ピンクから紺のグラデーションに染まる空。
 こどものときに読んだ絵本でこんな挿絵がなかったか、と思い出せないものを探ろうとした。

 疲れていないと思っていても、夏の疲れは体のどこかに存在するのか、その空でふうっとひと息ついた。
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by fastfoward.koga | 2010-08-27 22:07 | 一日一言