言霊の幸わう国

凛と穏やかに咲く1輪の

 昨日の荷物のあと片付けをするために、カバンからレジャーシートやクッションを取り出すと、中には土が入っていた。
 ベランダでそれを払おうと、網戸に手をかけようとしたそのとき、レースのカーテンが風でふくらんだ。
 二の腕で風を感じ、空を見上げる。
 今日の空は雲に覆われ、陽射しの強さは感じられず。
 昨日もこんなお天気なら楽やったのになあと思ったところで清々しい空を思い出し、いやいやと思い直した。
 トップバッターで登場したくるりザ・セッションの『ロックンロール』を、歌詞のとおり青空の下で聴けることを幸せだと昨日心の底から感じたのだから。


 9月19日(日)の京都の最高気温は32.3度。
 朝から陽射しは強く照りつけ、京都駅から会場に向かう道中でこの暑さに耐えられるかどうか、すでに気がかりやった。
 案の定、リストバンドを交換して会場に入り場所取りをしたあと、すぐにグッズ販売の列に並んだ1時間半の間がひとつのヤマ場。
 じりじりと肌を射す陽の強さに、気が萎えそうやった。
 グッズ買ったらあそこのマンゴースムージーを食べよなと、今年初参加のK嬢と励まし合うが、毎年のことながら音博だけはひとりで来られへんなあと思っていた。

 なんとか耐えてマンゴースムージーとお昼のキムチチャーハンを両手に抱え会場に戻ると、正面の大画面にはくるりの姿が。
 ビデオか? と希望的観測がつい思いに表れたけど、見まごうことなく岸田くんとさとちゃんがステージの端っこでマイクを握っている。
 あー、また間に合ってないし、と急いでレジャーシートを探した。
 開会宣言が12時だと思い込んでたから、この暑さで開始が早まったのかとそのときは思ってたけど、今タイムテーブルを見たらトップバッターのくるりザ・セッションのスタートが12時になっていた。
 4度目の過信。
 でもこういう慣れた感じが、わたし的には心地よかった。

 大急ぎでお昼をお腹におさめようとするものの全部食べきれず、お皿にキムチチャーハンを残したまま、くるりザ・セッション登場。
 初めは、岸田くんとさとちゃん、そしてもっくんがステージに現れた。
 どの曲から始まるのかと第1音が鳴るのを待つ。
 こういうときのくるりは、絶対期待を裏切らない。
 4度目の京都音楽博覧会は、『東京』で始まった。

 会場が、歓声で湧く。
 思わずわたしも、おおっと声を上げた。
 にやっと笑いながらも、胸にこみ上げる熱い塊。
 同じときに遠いステージで3人がどんな表情をしているのか気になるけれど、大画面にはまだ何も映らない。
 ちょっとでも近づくようにと、レジャーシートの上で背伸びをした。

 会場が歓声と拍手で湧く中、続いたのは『尼崎の魚』。
 ああこれがもっくんのドラムなんやなあと、もっくんがいたときのくるりのライブを見ていないわたしは、初期のアルバムの音を頭の中で思い出していた。
 なんか初々しくてシンプルな感じ。
 これがくるりの始まりやったんやなあと、思った。

 このくらいからやっと大画面にステージの様子が映し出されて、岸田くんに紹介されてタンバリンを持ったboboさんとハンバートハンバートの佐藤良成さんが登場した。
 岸田くんが、ギターの弦をつま弾く。
 聞き覚えのあるメロディに、みなが反応する。
 奏でられたのは、『リバー』。
 良成さんのバイオリンが、きもちよく響く。
 ゆったりと音に身を任せ体を揺らしていると、エンディング近くで達身さん登場。
 画面に映し出された顔を見て、変わらへんなあとうれしくなった。

 MCで話を振られた達身さんは、驚きながらも「シャツが透けて・・・」と軽い下ネタ。
 そこにすかさず岸田くんが、「ビーチクですか」と返すやりとりが懐かしい。
 そして続いて、「達身さん、トレードマークのフライングVです」と紹介し、「こんなメンバーなんでいつもはやらない曲を」と、今度はもっくんの大きな白いヘッドフォンを指した。
 そうして始まったのは、『ワールズエンド・スーパーノヴァ』。
 トップバッターからすごすぎーとひとりごちたあとは、自分の感情をいちいち確かめる暇もないまま、ただ音に身を任せて体を揺らした。

 そして最後が、『ロックンロール』。
 何年前だったか、金沢から能登へと車を走らせる中ラジオで聴いたときの、忘れられないきもちよさをさらに超える音。
 ホールやライブハウスで聴くのとはまったく違う突き抜けた感が、ほわんとした雲の浮かぶステージ上の水色の空に伸びていった。
 青空の下、もっくんのドラムと達身さんのギターで聴く『ロックンロール』は極上の1曲やった。

 時間きっかり30分のステージを終え、くるりザ・セッションのメンバーはステージから消えた。
 いつもならそこから次のアーティストのセッティングがステージ上では始まるところやけれど、客席からステージの右側に小ぶりなステージがもうひとつ作られていていた。
 次なるは、「生きててよかった」andymoriの登場。
 わたしとK嬢は、慌ててスニーカーを履いて、そのステージが見える位置へと移動した。

 ここならステージも脇の小さめの画面も見えるんちゃう? と位置を決めたところで、すでにメンバーはステージに立っていた。
 リハーサルするんかと思うほどの登場の早さにうかうかしてたら、あっという間に演奏が始まった。
 ああこの曲なんて曲やったっけ、アルバムに入ってたかなあと思っていたら、あっという間に1曲目終了。
 andymoriの曲は基本的に短いから、ぼけっとしてると取り残される。
 でも、周りのお客さんの雰囲気は悪くない。
 もともとファンなのかどうかわからんけど、すごく好意的に見られているのが伝わってきた。

 テンポが速すぎて曲順を頭に残す暇もなく、曲が続く。
『ベンガルトラとウィスキー 』、『FOLLOW ME』では、思わず笑いがこぼれる速さ。
 でも壮平、ちゃんと歌ってるよなあと感心。
 他には『クレイジークレイマー』、『everything is my guitar 』、確か『すごい速さ』もやったような気がする。
 MCはほとんどなく、1回だけ壮平が口を開いたときには「くるりが大すきです」と3回は言った。
 微笑ましいなあと見ていたら、今度は「ギターの師匠に初めに教えてもらった」と徐に、あとで登場するベンチャーズのテケテケギターを披露した。
「まだ(会場に)ベンチャーズ、入ってないけど」
 と、恥ずかしそうに、残念そうに、言う姿がまたかわいかった。

 きっとやってくれやろうと期待していた『1984』。
 ギターの音が鳴り始め、鉄旅の途中駅の待合室で聴いたことがふと頭に浮かんだ。
 あのときはカラッと鳴った音も、今日はふうっと京都の空気に馴染んでゆく。
 ラストは『グロリアス軽トラ』で、andymoriはあっけなく去っていった。
 今度は、メインの大きなステージでやらせてあげたいなあと思った。
 K嬢とも、終わった後は顔を見合わせて、「(壮平は)ほんまかわいいなあ」と口々に言い合った。

 そのあと、やっとレジャーシートに落ち着いて座ることができるようになったものの、炎天下に置かれたままのキムチチャーハンはさすがに口にする気にならず。
 帽子にサングラス、首にはストールを巻いていても陽射しのきつさは凌げない。
 さらにタオルを取り出し、ストールとタオルの2枚使いで右側ばかりに当たる陽射しを避けようと、頭にかぶったり腕にかけたり、格好にかまっているどころではなくなっていた。
 K嬢は「こういうところは、なんでもありやな」と言ったけれど、確かに格好にかまってばかりはいられない。
 かく言うK嬢も、頭からストールをかぶり、さらに物販で買ったばかりの音博タオルをのせている。

 暑いーと叫んでもそれがましになるわけもなく、行きのコンビニで買った氷の入ったカップから水分を全部飲み干し、やっと人ごこちついた。
 残った氷を無駄にしないよう、カップに別のペットボトルからお茶を注ぐ。冷えたところですぐ飲む。
 何度かそれをくり返している間に、ステージはエンケン(遠藤憲司)さんがギター片手にドラムを叩くという離れ業をやってのけていた。
 細い体で、ステージを前に後ろにと動き回る。
 K嬢と「大人がああでないとあかんな」と、その前の若いandymoriを思い浮かべながら、エンケンさんのステージに拍手した。

 今年はステージがふたつあるおかげでテンポがよく、続々アーティストが登場した。
 その間隔は5分ほど。
 予定されたタイムテーブルは、遅れもなく順調に進行している。
 例年から遅れや隙間を想定した上で大まかなのんびりした動きを頭に描いていたので、その速さには驚いた。

 次にステージに上がるのは、世武(裕子)ちゃん。
 でもこのままここにいるのは耐えられへん、といったん会場を出た。
 かつてこれほどまでに厳しい暑さはなかったよなあと思うものの、暑さで頭もうまく回らず、思い出すこともできなかった。
 しばらく歩くと、後ろから追うように世武ちゃんの声が。
 ごめんよ世武ちゃん、と言いながらもきもちは涼を求めた。
 自販機の缶の紅茶をその場で一気飲みして喉を潤し、このあとのためにもう1本麦茶のペットボトルを購入。
 そして欲望のまま、フードコートで練乳マンゴーのかき氷を食す。
 次の京都魚山聲明(しょうみょう)研究会が気になり急いで食べようとするが、右の奥歯がキンキンする。
 K嬢は涼しい顔をして食べ終えるので、わたしはカップを手に会場へと急いだ。
 
 再入場すると、正面のステージには袈裟を着たお坊さん7人が半円を描いて立ったり座ったりしていた。
 どんなふうに登場したのだろうと見逃した場面が、気になった。
 あとどのくらいの時間が残っているんだろうと思いながらもシートに座ったら、眼が自然に閉じた。
 聲明に耳を澄ませる。
 これが音博なんだと思う。
 会場中が不思議な空気に包まれ、声がやんでも拍手をしていいのかどうか誰もわからず静かに時間が過ぎてゆく。
 最後は等間隔に並んだお坊さんたちがひとりずつ、ステージ袖に消えていった。

 しばし静寂が流れる。
 それもほんまにしばしで、小さなステージにはテンションも声も高い二階堂(和美)さんが登場。
 今回わたしたちが陣取った位置からはそのステージも脇の画面も見ることはでなかったけれど、K嬢もわたしも暑さに疲れそこから動かずただ耳を澄ました。
 でも、絶対トリビュートで歌った『宿はなし』をやるはずだとタイミングを計って、ひとりスニーカーを履いて立ち上がった。
 予想通り、ピアノとバイオリンと、二階堂さんのギターで『宿はなし』は演奏された。
 途中から広がり始めた雲が浮かぶ空に太陽は隠れ、吹く風にはひんやりした空気が含まれている。
 ああきもちいいなと、二階堂さんが「意味がわからなかった」と笑って言った歌詞に耳を傾けた。
 テンションが高いだけなのか、天然なのか、アーティスト写真からは想像もできなかったキャラクターを全開に、二階堂さんのステージは終わった。

 それまでステージはメインとサブを交互に使っていたのが、ここで続いてジム・オルークがサブに登場するようで、わたしたちからは死角になるところでセッティングが行われていた。
 少しステージに間が空き、陽が陰って過ごしやすくなった空を眺める。
 ずっと願っていた西の空に浮かぶ雲が太陽を隠したところまではよかったけれど、上空の雲は思うようには動いてはくれず、今度は空の様子が怪しくなってきた。
 天気予報で雨が降るなど言ってはいない。
 まさか、と思ったが早かったか、雨が手の甲に落ちるのが早かったか、とにかく音博恒例の通り雨は今年もやってきた。

 とりあえず荷物をゴミ袋に入れる。
 絶対着ないと思って持ってきたウィンドブレーカーを広げる。
 しばらく様子を見ていたら、量は多くないものの粒の大きい雨が落ちてくる。
 こりゃあかんと、レジャーシートを半分に折って荷物優先で雨をカバー。
 わたしたちはゴミ袋をかぶったり、タオルを頭に載せたり、座る場所を失って立ち尽くしたまま雨が立ち去るのを待った。
 ジム・オークルの登場するころには雨は少しおさまっていただろうか、慎重に判断してウィンドブレーカーを脱ぎ、レジャーシートを元に戻した。
 ここでも4度目の過信。
 来年から天気予報が晴れマークひとつでも、降水確率がゼロでも、雨具はちゃんと持っていこうと心に決めた。

 通り雨騒動からひと息つき、また死角になったステージに耳を澄ましてジム・オークルの音を楽しむ。
 日本語がうまいジム・オークルは、姿を見ないと日本人ちゃうん? デーブみたいにさあと笑えるくらいMCがおもしろい。
 南向きに吹く風にそよそよ当てられながら音としゃべりを楽しんでいたら、あっという間にステージは終わってしまった。

 メインステージでは着々と準備が進んでいたおかげで、すぐに目玉のベンチャーズが登場。
 知っている曲などもちろんほとんどないけど、なんか楽しくなってきたとはしゃいでしまう。
 大画面を見るとおじいさんと言っていいほどの年齢のメンバーもみな、楽しそうに演奏している。
 会場の雰囲気が伝わるんやなあと、思った。
 それはバックステージでも同じようで、真横から撮った映像に、ステージ袖で楽しそうに踊る二階堂さんの姿がちらりと見えた。
 さすが音博、すごいでーとボルテージも最高潮になったところで、たどたどしい日本語と英語の混じるMCに、聞き覚えのある名が。
 なになに? 今、岸田さーん、佐藤さーん、って言うた?

 ステージにはむっちゃうれしそうに、ふたりがそれぞれギターとベースを抱えてやってきた。
 会場はさらに沸く。沸かないわけがない。
 演奏が始まると、岸田くんがベンチャーズのメンバーの1番陽気そうなおじいちゃんと一緒にギターのネックを振ってポーズを決めている。
 ふたりとも顔を見合わせ、むちゃくちゃ楽しそうな顔。
 さとちゃんもメンバーの間に入って、楽しそうにベースを弾いている。
 あーっという間にその1曲は終わり、くるりのふたりはメンバー全員と握手をしてニコニコしたまま消えていった。

 空が曇っていたせいもあり、思っていたより日暮れが早い。
 照明がだんだん色鮮やかになり、もうこんな時間かと寂しくなるところを、まだまだいくでーというように盛り上げる。
 はしゃぎながらもずっとステージに視線を釘付けにしていたら、ベンチャーズも最後の曲。
 陽射しが照っている間はつらかったけれど、こんなに時間が早く感じる音博はなかった。
 もうくるりか、やっとくるりかと、どっちの思いも頭を過ぎった。
 いつもならステージのセッティング中は、そわそわじたばたしながら待つものやけど、ほんまに今回は最後まで退屈させないステージ運び。
 予定より10分ほど早く、くるりご一行様はステージに現れた。

 くるりをはじめ、サポートメンバーのboboさん、佐藤良成さん、そして今回初参加のフジファブリックのギターの山内さんの5人全員が全身黒の衣装で登場。
 思わず、しっぶーいと声を上げた。
 
 1曲目は「言葉にならない、笑顔を見せてくれよ~」と、岸田くんがアコギを抱え歌う。
 続いて、『さよならアメリカ』。
 ギターソロは山内さんが弾いて、ちょっと意外やけどええ感じやなあと、その音色に聴き入る。
『温泉』、『コンバット・マーチ』、『目玉のおやじ』まできて、あー今日はくるりザ・セッションで昔の曲をやってるから、こっちは新しいアルバムからの曲が中心やねんなー、ツアーやらへんもんなーと、そんなことをひとりごちていた。

 出だしがゆるやかだったせいか、どの曲もじわあんと沁みこむような優しい音。
 まだそよそよと吹いている北からの風を頬で受け、会場全体の空気に酔っていた。
 そのときにはもう、逃げ出したくなるほどだった昼間の暑さを思い出すこともできひんかった。
 最初からずっとそうしていたような顔をして、ただ音の中に立っていた。

 MCを挟んで、『魔法のじゅうたん』、『さよならリグレット』、『Baby,I Love You』と夏の終わりにちょっとキューっと切なくなる曲が続く。
 いつの間にか空からは明るさは消え、ステージの向こうほぼ真正面に見える京都タワーもぼやーんと白く光っていた。
 いつにも増してきれいだなと思っていると、聴こえてきたのは『ばらの花』だった。
 ライブでもう何十回と聴いたその曲を一緒に口ずさみながら、気になってまた京都タワーを見た。
 凛と穏やかに咲く1輪のばらのようだと思った。
 そして山内さんのギターが、ほんまによかった。すごい沁みた。

 次、聞き覚えのないメロディにじいっと耳を傾けたのは『坂道』。
 初めは新曲かと思ったけれど、たぶん古い曲なんやろうなとなんとなくわかった。
 そしてタイトルも、何度も歌詞でくり返されてたからそうなんやろうということも。
 帰りの暗がりで知らない女の子が「あれって『坂道』やんね」と話しているのを聞いて、あってるーとひとり思っていた。

 最後のMCでは、岸田くんがいつもの「スタッフにありがとう、京都市都市緑化協会さんにありがとう、近隣の住民のみなさんにありがとう、登場してくれたアーティストにありがとう、お客さんにもありがとう」と言うので拍手の渦が起こった。
 こういうことを岸田くんが話しているとき、さとちゃんはなんとも神妙な思慮深い表情をしている。
 そして「ありがとう」のところでは、一緒にぺこりと頭を下げる。
 そういうのが、ほんまにいい。
 幸せやわーと、心の中でつぶやく。

 本編最後は、『麦茶』で締めくくり。
 いつにないさらっとした空気にぴたりとはまるステージやった。

 いったいどの曲やったか、カラフルなうきうきするような色づかいの照明でステージ全体が照らされたとき、それまでずっとその日の音を表現するとしたらどんな感じになるやろうと考えていた答えがぱっと閃いた。
 ギフトや! と思った。
 色とりどりの照明にラッピングされたステージから、いったん箱に詰められてギュウッと凝縮されてふわんと飛び出した音が贈り物やと思った。

 拍手に迎えられ、アンコールで再びメンバーが登場。
「京都なんですけど『東京』という名前から始まる曲で」
 岸田くんがそう言って始まったのは、『東京レレレのレ』。
 一瞬会場が、今日は『東京』で始まって『東京』で終わるのか!? という雰囲気になったけど、あの軽快なギターが鳴り始めたら、宴の最後を盛り上がろうと一気に賑やかになった。
 最後は岸田くんがアーティストを順番に呼び、みなが桜吹雪を振りまきながら登場(さすがに京都魚山聲明研究会のみなさんと、ベンチャーズは現れず)して、華々しい終演になった。

 実のところ、昨年はステージを見ながら来年やるんやろか、やると言ってくれ! と不安になったりもしたけれど、今年はハッキリと「また来年」と言ってくれた。
 毎年開催することは決して簡単なことではないはずだけれど、ステージに上がると楽しそうに演奏してくれると、見ている側はほんまにうれしい。
「感無量です」という言葉が途中岸田くんの口から飛び出したので少し驚いて、じいっとステージの様子を伺っていたら、「泣くと思ってるやろ」と憎たらしいひと言が続いて、客席からは笑いが起こった。
 2年目から3年目、3年目から4年目。
 4度目の開催を迎え、終え、ちょっと肩の荷が下りたところがあるんちゃうかなと、勝手ながら思った。

 終演後、K嬢と抜け道を使って早々にお店に入り、ビールを飲みながら音博話で盛り上がった。
 いいもん見て、おいしいビール飲んで、おいしいもんお腹におさめて、機嫌よくお店を出たとき、思わず来た道を振り返った。
 駅は逆。
 でも、急に魔法が解けたみたいに、昼間の暑さも笑ってしまった通り雨もキラキラ光ったステージも、耳に残るメロディも、みんな夢やったんちゃうやろかと思った。
「思わず、もう1回戻って確認したなるわ」
 そう言うと、K嬢は頷いてくれた。

 振り返らずに進むと、見上げた先には京都タワー。
 すっかり更けた夜にその輪郭をくっきりと浮き上がらせ、シュッと、いつものように立っていた。



 今年突如不慮の出来事で参加を見送ったハナウタコさん、お仕事で来られなかったTさん、子育て中のnaminichidoriさん、いつか行きたいと言ってくれた桔梗さん。
 他にも今年の音博に来られなかったみなさん。
 みなさんの思いと一緒に、今年の音博見たつもりです。

 京都タワーと音博は、ずっと待ってます。あ、もちろん、わたしも。
 いつか一緒に見ましょう。
 わたしの夢はおっきなブルーシートで、みんなと音博を楽しむことです。

 最後に、長々、遅筆、その上拙筆ですが、一筆入魂。
 きもちだけは込めました。
 お粗末です。
(足かけ3日かかったため書き出しが「昨日」となってますが、ご了承くださいませ)
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by fastfoward.koga | 2010-09-21 20:54 | 一日一言 | Comments(8)
Commented by itr-y at 2010-09-22 07:37
これすごく観に行きたかったな。
達身さんももっくんも出てたんですね。本当にオールスターですね。僕は一度だけ岸田、佐藤、森、大村の4人でのライブを新宿ロフトで観たことがありましたが、僕の中ではくるりはあの4人でないとと思っていたので,記事を読みながらなんだか胸が熱くなりました。一番陽気そうなベンチャーズのおっちゃんはたぶんドンウィルソン氏じゃないですかね?恰幅のいいひげ面の。なんだか読んでいるだけでそこにいたような気になりました。次回はぜひ参加してみたいな。ごちそうさまでした。
Commented by naminichidori at 2010-09-22 22:26
まさに一筆入魂!!
今年も、がつんとそしてほんわかと、あの京都の空気が想像できるようなレポをありがとう。
もう後半からは、なんだか涙出ちゃいました。
これは何の涙かなあ。感動?参加できなくてちょっぴり悔しい?いや、今年も開催してくれてうれしい、かな。

もっくん、達身さんの勢揃いくるりもう一度見たかったです。(私も一度みたことあるんですよー)
こうしてレポで読ませてもらっても、夢のような1日だったんですね。

もう4回目、でもまだ4回目。
来年も!と言ってくれた岸田君の言葉を信じて、そして京都で待っていてくれている京都タワー&コガさんに会うためにも、ぜひぜひいつか行きますからねー!

ほんとに、ほんとにどうもありがとう。
また今日から子育て頑張れます。
もう少し待っていてね、音博!
Commented by fastfoward.koga at 2010-09-24 08:42
itr-yさん、おはようございます。
お返事が遅くなってすみません!

新宿ロフトでの4人のライブ!
聞いただけで、ぞくぞくします。
ベンチャーズのおっちゃんは、ドンウィルソンさんでした。
ステージで1番楽しそうにされてました。

次回のご参加、お待ちしてますよー。
Commented by fastfoward.koga at 2010-09-24 08:45
naminichidoriさん、おはようございます。
くるりザ・セッションは圧巻でした。
今回は2回もくるりが見られて、ひと粒で2度おいしいみたいな(笑)。
naminichidoriさんがいたら、すごく喜ばれたんだろうなと思いながら見ておりました。

今年はほんとに小さいお子さんを連れている人が多くて。
はたから見ていたら、炎天下で大丈夫か!? と思いましたが、陽が暮れるころからは昼寝のあとで元気なのか、踊る子もいたり微笑ましいひと幕もありました。

きっと音博はまだまだやってくれるはずです!
またご一緒できる日を楽しみにしております!!
Commented by hanautaco at 2010-09-26 06:40
手元にチケットがありながら、まさかまさかの不参加に しばらく仏頂面な日々でしたが
レポを拝見しているうちにやんわり悔しさも忘れ、すっかり顔が綻んでおります。
まるでその場に居たかのような余韻・・ワタシの魂、京都に在り。ってのは、あながち嘘ではなかったかも。笑
ようやく気が晴れたようです。ありがとー。

実現するためにも、ここは力強く言っておかねばなりません。
京都タワーと音博と、そしてコガさん、「では来年!」
Commented by fastfoward.koga at 2010-09-26 11:12
ハナウタコさん、こんにちは。
あなたの魂、ずっと隣におりましてよ。
来年は体ごとおいでくださいましね。

今から首をながーくして、お待ちしてます!
Commented by m_kikyou at 2010-09-26 21:11
こんばんは!!
レポ、一気に読ませていただきました(>_<)
もう、息をするのも忘れてしまうぐらい!!
いろんなものがギューッとつまった夢のようなひとときに
私もご一緒させてもらった気持ちになりました♪

Ryoがお昼寝するのを待ち、
もう一度じっくり読みかえして
ひとり余韻にひたっています(笑)

いつの日か、
みんなでブルーシートでまったり音楽を楽しみましょうね!
Commented by fastfoward.koga at 2010-09-28 12:07
桔梗さん、こんにちは。
お読みいただき、ありがとうございます。
なにやらコメントを強要したような気がしないでもないですが(笑)。

ほんとにほんとにいつかご一緒できる日を楽しみにしております!