言霊の幸わう国

俯瞰希望

 久しぶりに、夜の新幹線に乗った。
 空いているわけでも、ざわついていないわけでもないのに、耳栓をしているように車内の音が気にならない。
 清潔な空間と腰掛けたシートのフィット感に、安心する。

 メールを1通送信し、読みかけの本を開く。
 ひと駅目を通過したところで、しばらく外を眺める。
 読み取れないネオンサインを、流す。
 ごおっという走行音に、ふと新幹線ではなく飛行機に乗っている感覚を覚えた。

 離陸直前。
 もうすぐネオンサインは、斜め下に見えるはず。

 という錯覚を頭に描いたところで、自分が俯瞰したいのだと気づく。

 毎日、不満たらたらしたものはないけれど、このままでいいとも思えない。
 見えない壁で覆われた閉塞感。
 でも頭上がぽかりと空いていることは知っている。
 だからこその、俯瞰希望。

 羽はなくとも、まっすぐ上がればよいのだ。
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by fastfoward.koga | 2010-10-12 00:24 | 一日一言