言霊の幸わう国

なにもないことなどない

 15日必着の卒業制作の草稿を、今日も大学の図書館で、必死になって書いていた。
 買いても書いても物足りず、きもちが引っ込んでしまいそうになったから、本棚から馴染みのある作家の小説をいくつか抜き出した。
 小説の構図を、呼び起こしたかったのだ。
 道標を胸に抱えて陣取った席に戻る途中、自分にはなにもない、という言葉が頭を過ぎった。

 なにもない、なにもない。
 呪文みたいに、頭の中でくり返した。

 でも、ほんとうはなにもないわけじゃない。
 ただ自分が期待するもの、望むもの、今胸に抱えているようなものがないと思っているだけだと、言い聞かせた。
 でなければ、自分がそれまでに書いた拙いなりの文章はいったいなんなのだ、と思ったのだ。

 そうして、今日も陽がどっぷり暮れて閉館30分前のアナウンスが流れるまで、思う存分書いた。
 指定された途中の場面を書けるほど器用じゃないから、頭の中にある物語を初めからずっと書いていった。

 ばっかじゃないの。
 途中、時間がないのに書き込む自分に突っ込んだ。

 でもいつか、役に立つだろう。
 今日の日は、いつかわたしの血となり肉となる。

 リミットは明日の昼と決めた。
 とりあえずこれを出したら、ひとヤマ越える。
[PR]
by fastfoward.koga | 2010-11-14 00:26 | 一日一言 | Comments(4)
Commented by asntbs at 2010-11-14 01:46
何もない、なんてことはあり得ません。

都会暮らしに慣れた人が田舎に訪れたとき
ふと「何もないとこだね」なんて言う事がありますが。

木や水や風や光のなかに
都会と同等数、またはそれ以上の何かがあるはずです。
単純に、それらの大切なものに
うまく意識が向いていないだけだと思うのです。

fastfoward.kogaさんは今、田舎にいるのかもしれませんが
きっとキラキラした素敵なものを、その中に見つけられると思います。

応援していますよ。
Commented by fastfoward.koga at 2010-11-14 21:12
anstbsさん、こんばんは。
わたしは、「ここはなんにもないとこだねー」と言う人がいやで。
住んでる人が言うならまだしも、おまえが言うなよーと思います。
でも今回は、なんにもないと自分が言っちゃあおしまいだ、と己を奮い立たせました。

とりあえず、提出したので。
ひとヤマ越えました。
今晩は、ひとり缶ビールで酒盛りです。
明日もというかまた1週間あるので、1本でやめときますけど(笑)。

いつも、ありがと。
Commented by mohariza6 at 2010-11-15 21:52
自分のやったことは、納得した(?)ものだったら、
それで、終わり、と思います。

結果は、他者なり、私以外が、判断してくれる。

(<自分にとって、>客観的なのかは、関係ない。)

その後は、全て、最初の戻り、「無」から始めるしか、無い。

全ては<ガラガラ、ポ~ン>と考える余裕が必要に思います。

永久に繰り返す<「無」に戻る行為>でも、
自分が納得すれば、<結果>など、気にする必要は無いと思います。

やっていた<過程>での、<充実感>が、大事なように思います。
Commented by fastfoward.koga at 2010-11-16 21:37
mohariza6さん、こんばんは。
ものごとは、1回終わってまた次があってのくり返しですもんね。
でもわたしは、納得しても結果が少し気になる小心ものです・・・。

と言いつつも、次に行かねばなりません。
まだヤマはいくつもありますから。