言霊の幸わう国

冬晴れ

 今日は友人に合わせ休みをとり、大阪まで車で出かけた。
 行き先は、友人Nくんのお墓参り。
 彼が亡くなって、もうすぐ10年になる。
 前回いつ行ったか思い出せないくらいご無沙汰してしまったので、2月には必ずと昨年末から思っていたのだ。

 昼前に京都を出発し、途中お昼を食べ、13時過ぎに目的地に到着。
 今日の大阪は予報どおりよく晴れ、暖かく、コートを来ていなくても充分な陽気だった。
 そう言えば彼のお葬式の日も、2月なのに暖かかった。
 確か骨上げまでの時間、行くあてもなくてパチンコ屋の駐車場でみんなで輪になって立ち話をしていたけれど、誰も寒いと言って移動しようとしなかった。
 そのときの明るい陽射しとみんなが着ていた洋服の黒のコントラストが、今でも印象に残っている。

 道は何度か間違えたのに、お寺の駐車場に車を停めお墓に向かって歩き始めると、とたんに記憶は鮮明になった。
 晴れた日にお参りすることが多かっただろうか。
 ここはいつもと同じだと、ふと思った。

 お墓まわりを簡単に掃除して、お花を供えた。
 お線香は空気が乾燥しているからなのか、すごい速さで灰に変わっていった。
 急がなくては、そんなことを思いながら、友人と静かに手を合わせた。
 そうしていると、ずっと目を閉じて彼と話をしていたいきもちになった。
 よくなにかあると彼の言葉や立ち振る舞い、今どうしているのかと思い出してはいるものの、実際お墓を前にして彼のことを考えたら、いつもより近くにいる気がした。
 
 10年経ったんやなあ。
 わたしたちは相変わらず。
 報告できるようなことは今なんにもないから、なにか報告できることができたら、また来るね。

 そう最後に話しかけた。
 そしていつものように小さく手を振って、大きな通路に出たところで後ろを振り返った。

 車に乗って京都へ戻り、途中お茶をして、友人を家まで送り届けた。
 帰り道、橋を渡る幹線道路から大きくてきれいな夕陽が見えた。
 大きくて丸くて鮮やかで、今日その夕陽を見ることができてよかったと思った。
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by fastfoward.koga | 2011-02-03 20:30 | 一日一言