言霊の幸わう国

本とわたし

 荷造りを始めた。
 とりあえずは買い揃えた日用品や食器、洗濯しておいたタオルとバスタオルをひとまとめに。
 さあ次はどうしようと、自分の部屋でしばらく悩み、荷造りしても生活に影響のない本棚の前に立ちはだかった。

 まずは文庫から始め、新潮文庫、角川文庫、講談社文庫、と揃えた背表紙を順に眺め、思案しながら選ぶ。
 そのあとはアイウエオ順に並んだ文芸書を同じように眺め、棚から出したり戻したりしながらダンボールに詰めた。

 持っている作品すべてを選んだのは、村上春樹と堀江敏幸と長嶋有。
 意外なような、意外でないような。
 それ以外にも持ってゆこうと決めた本のひとつひとつは内容が思い浮かぶか、読んだときの思い入れがあるもので、そうかこんな本を手元に置いておきたいと自分は思っているのだと気づいた。
 自分と本の関係において、初めての領域に足を踏み入れたような気がした。

 詰め終わった本に、文豪と呼ばれる作家の作品はほとんどない。
 ということにさっき気づいたので、次のダンボールには芥川に谷崎、森鴎外を詰めようと思う。

 でも、なんとなく、ひとりぽつんと部屋にいるときに、読みたくなる本は持っていった本ではないような気がするのは、どうしてだろうか。
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by fastfoward.koga | 2011-02-23 21:47 | 一日一言