言霊の幸わう国

かさぶた

 毎晩、部屋の灯りを全部消したあと、幸せを感じる。
 天井を見て、柔らかくて温かいふとんといつものまくらの感触を確かめて、ああ今日も1日終わったと思う。

 そうやって、毎日は過ぎている。
 ぱたぱたと音を立てて変更する行き先表示のように、めまぐるしく過ぎている。
 幸せは感じているのに、くすくすかさかさする思いがかさぶたみたいにくっついている。

 昨夜も同じようなことを感じ、思ったまま目を閉じたそのとき、これじゃあいけないとわたしが言った。
 あと1歩、もう1歩。
 今より前に進まなければならないなにかがある。

 自分が傷を癒そうとしているのか、また血を流そうとしているのかわからないけれど、今かさぶたをえいっと、はがそうとしている。
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by fastfoward.koga | 2011-04-20 21:37 | 一日一言