言霊の幸わう国

7・8月の巻

<7月>
1  ジュンパ・ラヒリ
            停電の夜に

<8月> 
(テキスト)
・太宰治    晩年


 毎日どこかで本を開いているというのに、これほどまでに読み終える本が少ないとは。
 この夏は、とにかく数ページ、下手すると数行でぱたんと本を閉じてしまっていました。
 眠気には勝てず・・・。

 7月に読んだジュンパ・ラヒリの『停電の夜に』は、以前から書店で見かけるたびに気になっていた作品でした。
 この本は誕生日に徳島に行ったとき、夕飯を食べたあと駅前の書店で買いました。
 地鶏を使ったおいしいパスタとビールをお腹におさめ、ふらりと夜風に当たって歩いていたら、きもちよくなって懐も緩む緩む。
 不思議なことに、旅先ではいつも決断しきれない本もすっと手にとることができます。
 この日もあまり迷わずにこの本を選びました。
 
 さすがにピュリツァー賞(※アメリカで最も権威のある賞)をとっただけはあります。
 表題の「停電の夜に」は短編ながらドキドキしながら読み、クライマックスには思わず自分が小さい叫び声を上げたような気がしました。
 ひやりとする人間の本質。
 キラリとナイフが光ったような後味に、旅先のホテルのベッドの上で唸りました。
 いつかこういう、さらりと人の内面をえぐるようなものを書きたいものです。

 9月から10月にかけては卒業製作にあたる小説を書くことに集中せねばなりませんが、その中でも栄養を摂るように、時間を見つけていい作品を読みたいと思います。
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by fastfoward.koga | 2011-09-03 19:00 | 本の虫