言霊の幸わう国

近道はない

 今日は、卒業研究の面談日。
 すでに7月に提出していた途中まで書いた作品への添削は返ってきていたので、その添削についての確認と質問がメインになる、制限時間30分の1本勝負。
 事前にいろいろ考えると憂鬱になるので、ふわあっとした気分で雨が降る中、大学へ向った。

 返却されていたのは、やるべきときにやるべきことをやらなかったために、小手先だけで書いたような作品。
 徹夜してひと晩で書いたとは、格好悪くて口が裂けても言えない。
 けれど先生方は、なんでもお見通しだ。
 書き方の甘い部分への指摘は容赦ない。
 メモを取りつつ、堪忍しますとばかりにぶんぶん頭を上下に振った。
 そしてさらに、書きながら迷っていたことを、文字にすらしていない迷いを見つけ出し、指摘してくれた。
 
 流石。天晴れ。
 胸のつかえがすっと下りた。

 とは言うものの、物語のエンディングまでの道のりに光が射したわけではない。
 ここまでの出来の悪さは自分がよくわかっているから、こことあそこを修正して書き終わりまでどうもっていくか、考えただるだけでため息が出る。
 けれど先生方は、物語の土台は出来上がったねと言う。
 そしてさらに、文体を褒めてくれた。

 いつもは褒めてもらいたくて仕方ないくせに、今日はどれだけ褒めてもらっても素直に受け取ることができなかった。
 出せるだけの力を出さなかったせいで、せっかくいただいた言葉を喜べなかった。
 もったいない。

 この夏、いろんな場所でたくさんの人と会って話したけれど、誰もがみな今一所懸命でうらやましかった。
 でも人をうらやましがっているうちは、必死になっていない証拠だ。

 先生が最後に言った。
「もっと自信を持って」

 そのためには、できていないところを整理してやるしかないんだなあ。
 うまくやろうとせず、力を出し切る。
 しかないんだなあ。
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by fastfoward.koga | 2011-09-04 21:14 | 一日一言