言霊の幸わう国

バカがスキ

 高校の時の現代国語の授業で、宮本輝の「蛍川」を読んだことがある。
 当時の現国の担任は以前「忘れていた約束」でブログにも書いた先生で、そのときも授業で数回感想文を書かされた。
 残してあるざらばんしの原稿用紙には、今よりも幼いくせのある字で、わたしはそのとき感じたことを綴っていた。

 感想文にはいくつもの登場人物の名前が書いてあったけれど、今はもう、どんな内容の話だったかも思い出せない。
 でも、ある一文を読んで思わず笑ってしまった。
 高校生のわたしはこんなことを書いていた。

「女の立場から見ると、重竜はとんでもない男かもしれない。でも、千代と春枝は好きになった。女は、バカかすごく賢い人のどちらかを好きになる気がする。私もきっとバカを好きなるだろう、って思う」

 今度、「蛍川」を読み返してみようと思う。
 重竜という男が、どんなバカだったのか、今でもバカだと思うのか確かめるのだ。
 そしてまだわたしはバカな男を好きになるのだろうか?

 授業の一番最後だろう、書いた感想文の最後に先生は赤ペンで「××さん(わたしの名前)は、すごく光るものをもっていると思います。どんどんそれをみがいてほしい。たくさん、これから本をよんで下さい」と書いてくれていた。
 先生の言葉どおり、自分が今でも光るものをもち続けていて、バカがすきならいいなと思う。
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by fastfoward.koga | 2005-05-13 00:36 | 一日一言