言霊の幸わう国

重いマントを脱いだら

 いつもと同じ通勤風景。
 改札を抜けほんの少しの間、川を眺めて歩く。
 そこでふと、自分は社会人だけになったのだと思った。
 2足のわらじも、もう脱いでしまったのだ。
 突如そんな思いが湧き上がってきた。

 久しぶりに夕暮れの風景を窓の外に従え、帰途についた。
 いつもと違う電車に乗ったらシートに腰かけられ、貪るように本を読んだ。
 最寄駅に着いたところで、またふと考える。
 2足のわらじというより、コートを脱いだ感じがするなと。

 頭に思い描いたのは、サイズの合わない重い黒のマント。
 想像して重さを感じないということは、今は軽くなったということなのだろう。

 今さらながら、分相応なことをしてきたのだろうかと思う。
 
 まだ少し、感傷的。
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by fastfoward.koga | 2012-03-19 22:52 | 一日一言 | Comments(0)