言霊の幸わう国

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 携帯のスケジュールで彼女の誕生日を確認した数日後だった。
 何年ぶりだろう、彼女からメールがきた。

 離れていても、きもちは寄り添えていると思っていた。
 年に数回、いや数年に1回の連絡でも、そう思っていた。
 けれど通じ合う時間が少なくなれば、必然的に通い合わす言葉も少なくなる。
 彼女が付き合っていた人にひどい仕打ちをうけた、そのことを知ったのだって、ずいぶん経ってからからだった。

 彼女との距離が開き始めていることは、気づいていた。
 年賀状が来なくなり、メールへの返信がなくなった。
 それでもふたりの間にあるものは同じままだと思い、数年前の彼女の誕生日に合わせメールをした。
 お祝いがてら、飲みにいこうと。
 でも返事はなかった。
 それから、自分から連絡することはしなくなった。

 彼女からのメールには、転居の知らせを出そうとしたら宛先不明で戻ってきたけど、と書かれていた。

 タイトルには彼女自身の名前。

 20歳を過ぎたころ、彼女はこんなことを言った。
 高校時代を共に過ごした友人たちとは卒業したら離れ離れになって、だんだん連絡を取らなくなってしまった。
 そんな友人から連絡があり、久しぶりにみんなで集まろうという話になっているけれど、今の自分には新しい生活がある。
 このあとどんなふうに付き合ってゆけばいいだろう。

 一緒にいた別の友人は、自分が大切だと思う人なら切れないようにすると言い、わたしは悩む時点で必要ないのと同じだから切ると言った。
 それを聞いたあと、彼女はもじもじ考えて、やっぱり切れないなと言った。

 1週間、考えて考えた。
 0か100かの面倒な女なので、どうするかは極端と極端しかない。
 そして今日やっと選んだのは、その極端のひとつ。 
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by fastfoward.koga | 2012-06-24 22:14 | 一日一言