言霊の幸わう国

ぶらぶら

 いつごろからだろう。
 いつも、これが終わったら、あれが終わったら、そんあふうに日々を過ごすようになった。
 終わるのを心待ちにしているこれやあれ。
 自分の元にやってくると、それらはウォータースライダーに乗っかったかのように、つるんと消えてなくなる。
 そのなくなる瞬間が得難いと、旅に出たり、新しい本や音楽を求めているというのに、掴んだだけでそれは言葉にはのせかえられていない。

 どうしてこんなに書き残していないのか。
 
 ひとり暮らしを始めて生活ペースが変化したことが大きいことには間違いないけれど、それ以外に自分を書くことへ意識を向けさせられないあることに、気がついた。
 それは足をぶらぶらさせること。

 今書いているわたしの足は、座椅子の上で左右異なる角度で曲げられている。
 動かせても足を伸ばすか、折りこんでしまうかぐらいのものだ。
 その姿勢が、言葉を、思考を止めてしまう。

 足をぶらぶらさせることが、どうして書くことのスイッチになるのかはわからない。
 けれど、書くことを頭の中に描いたとき、椅子が恋しくなった。

 1番思い出すのは、大学の図書館。
 8時間ほど居座りつづけ、レポートを書いたこともある場所だ。
 きっと相性がいいのだろう。
 図書館の大きな机の一角を切り取って、部屋に据え置きたい。

 引っ越したら、1脚でいい、椅子が置けないかと考えている。
 足をぶらぶらさせたなら、なにかを待って待ったあとに滑らすだけの、時間と思考の無駄なくり返しはさせない気がする。

 もっとなめらかに人生を送れるように。
 もっとなめらかに言葉を紡ぎだせるように。
 どうか、足をぶらぶらさせてくれ。
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by fastfoward.koga | 2012-07-24 21:31 | 一日一言 | Comments(2)
Commented by jinsei-rarara at 2012-07-25 10:35
どうぞ
引越し先の部屋では足をブラブラさせてください。
椅子があるとないとじゃ大違い。楽ですよ。
ブラブラj効果、楽しみにしています♪
Commented by fastfoward.koga at 2012-07-26 21:12
jinsei-rararaさん、ふたたびこんばんは。
正しくは椅子だけじゃダメなんですよね。
机がないと(笑)。