言霊の幸わう国

岸辺を離れて

 最近、ELLEGARDENのベストを引っ張り出して聴いている。
 聴いていた期間は短かったはずなのに、なぜかいくつもの記憶が次々とよみがえった。
 リピートしながら思ったのは、あぁ、あのころの記憶と感情がここに凝縮されていたのだなということだった。

 この間、友人とふたりで飲んでいたときに、わたしが10代の後半から20代にかけてすきだった人のことが話題にのぼった。
 かなりビールの杯を重ねていたせいもあったとは思うけれど、彼のことを思い出してそのときのことを口にしようとするために、自分の奥を掘り返している気がした。
 紙吹雪に埋もれた彼の記憶。
 色とりどりの紙片の中から、わたしは記憶を取り出した。
 思い出すのが久しぶりだったとは言え、時間を要した感覚が体に残った。

 気づけば、あのころをヤマにしたら、わたしの人生はちょうど半分に折れる。

 そうか。
 わたしは、こんなところにまで来てしまったのか。
 時には波に揺られ、時には舵を取り、ゆらりゆらり、流れ着いたこの場所は。

 そんなふうに思った。

 それは決して悲しいわけでも、虚しいということでもなく。
 ただ切ないなあと、心の中の自分の腕を抱くように、感じた。
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by fastfoward.koga | 2012-09-03 22:38 | 一日一言 | Comments(0)