言霊の幸わう国

風はやみ、ボールが放たれる

 まだ彼とは会えずじまいで、チョコは玄関先に置いてある。
 自分の分もまだラッピングも解いていない。

 チョコを頭の片隅の棚に置き、渡したあとどうするかなあと考える。
 どうやったら彼にもっと近づけるのか、彼と仲良くなれるのか。
 風見鶏みたいに、くるくると同じ思考を巡らせている。

 いろんなことが気になって、それが足枷のように感じる。
 コンプレックス、年齢差、周囲の目、彼の思い。
 ひとつひとつをガラスの中の展示品のように真剣に見つめていると、どんどん奥へと進んでゆく。
 
 でも急に我に返った。
 わたしは、自分のことしか考えていない。

 ひとまず渡してみよう。
 渡したら、なにかが動くかもしれないし。

 恋はキャッチボールだ。
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by fastfoward.koga | 2013-02-18 21:19 | 一日一言