言霊の幸わう国

サークル・トランスファー ~今いる場所は

★7月23日(火)
 8:06 広島駅発 ⇒(山陽本線)⇒ 8:59 岩国駅着
 9:42 岩国駅発 ⇒(岩徳線)⇒ 10:56 徳山駅着
 11:14 徳山駅発 ⇒(山陽本線)⇒ 12:22 岩国駅着   -岩国散策(昼食)-
 15:29 岩国駅発 ⇒(山陽本線)⇒ 16:20 広島駅着   -広島市内散策(夕食)-


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 前日の夜、知り合いと飲みに行った。
 その人は、まだぬぐいきれないわたしの「日常のしがらみ」を知っている人。
 話を聞いてもらいたくて甘えて連絡をしたけれど、結局最後は密かに望んでいたとおりに背中を押してもらえなかった。
 足取り重くホテルに帰り、少し飲みすぎたこともあって翌朝はどんよりしていた。

 この日の目的は、岩国の錦帯橋。
 数年前からいつか行こうと思っていた場所だ。

 広島から1時間もあれば到着するその場所へ、岩徳線に乗車するために遠回りをした。
 海沿いを走る路線のどの駅だったただろう。扉が開くたびに熱風が車内に入ってきたのに、海がすぐそこに見えた駅では涼しい風が潮の香りとともに感じられた。

 列車に揺られながら、入れ替わり立ち替わりやってくる高校生たちを観察していた。
 態度や服装から、彼らが日常をどんなふうに過ごしているのか、卒業したらどうするのか。20年後、彼らは地元にいるのか、都会にいるのか。どんな年の取りかたをするのか。
 鉄旅をするといつのものことだけれど、若者の未来について考えていた。

 そんなことがきっかけになったのか、ただ列車に乗っていることが幸せだという思いがふつふつと湧いてきた。
 旅を始めて3日目、やっとそう思えたと思った。

 錦帯橋に着いたとき、13時を過ぎていた。
 ひとまず錦帯橋を片道渡り、向こう岸で昼食に岩国寿司を食べた。
 この日岩国は、猛暑日。
 昼一番、陽射しも暑さもくらくらするほどで、日なたを歩き続けるのは容易ではなかった。
 写真を撮ろうとスマホの画面を覗いてみても、なにが写っているのかわからない始末。
 念願叶ってきたというのに、写真なんてもういいやとあきらめてしまうほどだった。

 日陰を求めて岩国城へ向かったものの、必死になって展望台まで上ると暑さが倍増し、風を感じられないその場所では熱中症になってしまうような気がして、そそくさと下りてきてしまった。
 錦帯橋と岩国城周辺には資料館や美術館、少し足を伸ばせば宇野千代の生家などがあったのだけれど、どこに立ち寄る気力もなく、といってこのまま帰ってしまったらなんにも残らないなあと、よろよろと歩いた。
 戻る途中、吉香公園の木陰のベンチに腰を下ろした。
 視線の先には、大きな噴水。子どもが嬌声を上げて遊んでいる。
 できることならわたしも一緒になって水に足を浸したいと思いながら、歓声の大きさに気後れして、少し離れたところからそれを眺めた。

 息が落ち着いたところで、カバンからハガキを取り出した。
 できるだけ膝とその上に載せた荷物を平らにして、数枚のハガキを書く。
 そこで、まるで「今、錦帯橋に来ています」というハガキを書くためにここに来たみたいだと思った。

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by fastfoward.koga | 2013-09-16 20:41 | 旅行けば | Comments(0)