言霊の幸わう国

おすすめします その3

 7月9日(土)に、映画「FLY,DADDY,FLY」が公開される。
 原作は、金城一紀。
 この人が書く男の子には、弱みや弱さがあってでもそれを越えようとする強さもっていて、まっすぐでこれでもかという人間くささがある。
 この「FLY,DADDY,FLY」の主人公、朴舜臣(パクスンシン)もしかり、「GO」の杉原もしかり。
 男に生まれたならこんな男になりたい、と思ってしまう泥臭いかっこよさなのだ。

 わたしがこの本を読んだのは、昨年の10月。
 読んでいて思わず声に出して笑ってしまったくらいおもしろく、でもうまく泣かされるような場面ももりだくさんで、読み終わったあとに爽快感があるすごくいい小説だ。
 ストーリーは、金城一紀が脚本を手がけただけあって、小説を忠実に映像化しているようなので、映画のホームページを見てみてもらった方がいいと思う。

 でも、わたしが気に入っている場面をひとつだけ。
 ケンカに勝つために体を鍛える47歳のサラリーマン鈴木一が、トレーニングの一環で神社の境内にある木にロープをたらし、腕の力だけで登る練習をする。
 ロープを結んでいる枝から地面までの高さは、約10メートル。もちろん体を鍛えてもいない一介のサラリーマンなので、一に登れるわけがない。
 境内には見物客がいて、彼らはいつしかそんな一の姿を見守るようになる。
 話の終盤で、見違えるような体になった一が木に登ったとき、みんなから拍手が沸き起こるのだ。

 金城一紀のうまさは、情景が鮮やかに思い浮かぶ表現だと思う。
 決して饒舌な表現ではないのに、言葉が頭の中で映像として浮かんでくる。
 だから、今回の映画かもすごく楽しみだ。

 ぜひ、小説も映画も楽しんでみてください。
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by fastfoward.koga | 2005-06-26 15:33 | 本の虫 | Comments(0)