言霊の幸わう国

鼓舞

 午前中の立ち振る舞いに、まずったな、と思うところがあった。
 気をつけていたのに、面倒がったことと萎縮したことで、もう1歩が踏み出せなかった。 
 踏み出せなかったことは終わったこととしても、それをいつまでも引きずっていることが自分にとっては痛い。

 午後は、萎縮したきもちが元に戻りきらないまま過ぎた。
 最後のとどめは、数ヶ月ぶりに見た入社2年目の子たち。
 話したりはしていないのに、うちに帰ってもその姿がちらついた。
 卑屈だなと、思ったところで、なにが卑屈なのか、その思いの根底にあるのが嫉妬なのだと気がついた。
 若さに、嫉妬してしまった。

 冷たい水で手を濡らし、夕飯の洗い物をすます。
 昨日作ったすりキズが痛むことを気にしながら、嫉妬したことを認めてみた。
 そうしたら、つい声に出して言っていた。
「わたしの40年はそんなに軽いものなのか」
「後悔もたくさんあるけれど、戻りたいと思ってどうする」
 言ってきもちが楽にはなったりはしないけれど、効果や結果が伴わなくとも、言ったことは言ったこととして、事実が残る。
 それがいつか、小さな後押しになるかもしれないことをわたしは知っている。 


 少し波立った胸の中の湖に、一滴の黒い雫が落ちた。
 透明な水に黒い染みはゆっくりと広がって、消えるには時間がかかる。
 たとえ消えても、透明度はさっきとは違っている。
 でも、黒い雫が落ちたことで透明度を思い返すことができた。

 もう知らないままでは終われない。
 なにかに抗いたくなっても、進むべき道は前にしかない。

 己よ、明日も進め。
[PR]
by fastfoward.koga | 2014-02-27 22:22 | 一日一言