言霊の幸わう国

雨の日

 夕べは雨音を聞いて眠り、今朝も目覚めてすぐに耳にしたのは雨音だった。

 週間天気を何度も確認していた1週間。
 曇マークと寄り添っていていた傘マークは、2日前にとうとうその姿ひとつきりになった。
 前日、数時間おきに気象庁の天気予報を見たけれど、曇りマークの再登場はなかった。
 仕方なしに、今日は一緒に出かける予定だった友人とうちで過ごした。

 1日、雨は降ったりやんだり。
 不思議なことに、友人がうちに車でやって来て帰るタイミングで雨はやんだ。
 友人が帰ったあと、まだ今夜雨は降るとわかっていたものの、4連休最後の日に洗濯物をためておく気にはならず、洗濯機を回した。

 洗濯物を干す前に、ベランダの掃きそうじをする。
 終わったら、丁寧に物干しざおをタオルで拭う。
 その間に、開け放した窓の向こう、テーブルの上でLINEのメッセージが届いたことを知らせるためにスマホが震えた。
 それがさきほどからやりとりしている、さっき帰った友人だとわかっていても、表示される名前が彼であってほしいと願ってしまった。

 部屋で友人にくすぶる思いを話し、少しきもちが解ける。
 そのあとのLINEのやりとりで、さらに自分の欲しているものを自覚する。
 そして友人に問われ、「彼からの言葉を欲している」と書いて、ようやく呪縛から解かれた気になる。

 友人が帰ったあとの部屋は、特別な片づけをしたわけでもないのにがらんとしていた。
 でもその空き加減が心地よく、夕飯の支度にとりかかるまでゆるりと過ごした。

 外はまだ雨音がしっかりと聞こえる。
 眠りに落ちる寸前に、その音が昨夜より安らかに聞こえるといい。
 そして少し落ち込んでいる彼にも、どうか同じように響きますようにと願う。

 こうして時間は過ぎてゆき、時にはその時間が指の隙間からこぼれ落ちる大事なものように思うことがある。
 でも、惜しんでいるだけでは晴れない。
 空は晴れても、心は晴れない。

 なんだか遠いところまできてしまった気がする。
 こんなに長い間、片思いでいるとは。
 なんて、今さら。
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by fastfoward.koga | 2014-04-29 21:25 | 一日一言 | Comments(0)