言霊の幸わう国

埋めるのが穴か、埋められないのが穴か

 執着を手放すって、ほんとうに難しい。
 心のどこかで、これだけ思ってきたのだからというきもちがどうしても消えない。
 その思いが、いつでも手放す邪魔をする。

 今まで、時間の流れの中で自分がやってきたことは積み重なってゆくものだと思っていた。
 だから、それは捉えかた次第でという前提条件はあるものの、自分の血となり肉となるのだと信じていた。
 でも、その積み重ねるという連鎖が、今つらい。
 執着が手放せないのは、その連鎖から抜けられないからなのだろう。

 連鎖を断ち切ることは、それまでやってきたことを否定するような気がしてしまう。
 それは結局のところ自分に自信がないからなのだけれど、自信というレベルまでのものを持てないとしても、大丈夫だという確信か、とりあえずこのままでいいよという自分への労りくらいはあってほしい。
 でも考え続けると、どれもこれもやってきたなにかがあるから思えることなんじゃないの、と自問自答のループにはまる。

 負のループにはまってから、どれくらい経つだろう。
 時折、ひょっこり抜け出せそうなわき道が目に入るのだけれど、気づくと見慣れた道に戻っている。
 じっとしてても仕方ないと、人と会う時間を意識的に作ってみたりもしたけれど、どこかぽっかり穴が開いた感じは消えてなくならなかった。

 その穴は、執着していたら埋まるのか。
 埋まるわけがない。
 たまにふたをして開いてないようなふりはできても、隙間なく埋められる方法はひとつしかない。
 たくさんあるような気がしていたけれど、実はひとつだけなのだ。

 その穴は埋めることができない可能性もある。
 でも、それはもう仕方ない。
 連鎖の中の自分じゃなく、わき道の入口を認めた自分がそう思う。
 それまでの時間に起きたことは記憶の抽斗にいったんしまって、対峙したそのときに思いを口にして。
 それでダメなら仕方ない。

 どんなに乞い願っても、叶わないことはある。
 そのときは、穴は穴のまま、進むしかない。
 それは証で、いつかなにかの目印になるだろうから。
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by fastfoward.koga | 2014-11-02 23:21 | 一日一言 | Comments(6)
Commented by cool-october2007 at 2014-11-03 10:58
例えば、好きという気持ちが自分の心や人生に深い根を下ろしていたとき、それは本当の好きなんだよね。
幸せの木が引っこ抜かれると、そこには大きな穴が残るけど、大きければ大きいほどそれは勲章みたいなもんだよ。
そんなわけで、僕は穴だらけな人生なわけですが(苦笑
Commented by fastfoward.koga at 2014-11-03 19:37
coolさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。読んで、涙しました。

「本当の好き」ってなんなんでしょうね。
それってわたしの思い込みだったのかなあと、何度も思います。
でも、もう少しがんばります。穴を怖がらず。
Commented by cool-october2007 at 2014-11-03 21:53 x
それは思い込みだったのかもしれません。だけど、誰がなんと言おうとコガさんの「好き」という気持ちは正真正銘ホンモノなんだと思いますよ。
Commented by fastfoward.koga at 2014-11-04 21:25
coolさん、こんばんは。
思い込みであるということを、受け止めてくださってありがとうございます。
救われました。
思い込みと本物だということは両立するんですね。
Commented by mohariza12 at 2014-11-26 23:14
お久しぶりのコメントとなります。

生物界でも、宇宙の世界でも、閉じられ切った世界は無い、と思っています。
去年読んだ本から考えが発展して、この世のモノは、
<(時として、)一部開いた 外界と膜を通じて 閉じられた空間(:内界)>だ、と思うようになりました。

自己の活性化に為には、外界と開き、内に入れ込めば良く、自身で深めるには、内界で循環して模索しても良いのでは…。

但し、<外界と開く(口)>は、必ずしも、自己の意志で制御できるとは云えず、また、開口部以外からも、<素粒子>のように膜を突き抜け、やって来るものもあり、それが肝心なのかも…?

Commented by fastfoward.koga at 2014-11-30 20:57
mohariza12さん、こんばんは。
お返事が遅くなってすみません。

まだまだ日々精進、しています。
内界で循環して模索するだけにならないように、それを心がけています。
自己完結して自爆、がわたしのパターンなので、もうそれは卒業したいなと思っています。